内容説明
水中考古学者VS.トレジャーハンター。
興田真佐人には、熱い船乗りの血が流れている。祖先である興田正五郎はおよそ400年前、メキシコのアカプルコとフィリピンのマニラを結ぶスペインのガレオン船「アンヘル・デ・アレグリア」の筆頭航海士として、太平洋の大海原で活躍していた。1620年8月7日、アカプルコに向かう二度目の航海中に「アンヘル・デ・アレグリア」は遭難し、正五郎は船と運命をともにしたという。水中考古学を専攻する真佐人は、太平洋のど真ん中に沈んだままの「アンヘル・デ・アレグリア」を引き揚げることに、人生を賭けていた。スペインを代表するリゾートビジネスグループのオーナー、アントニオ・バルデスをスポンサーに、恩師の田野倉賢治教授、同僚の片岡亞希らとチームを組み、沈船引き揚げプロジェクトが始まった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
153
面白い。出発前の準備や歴史的背景などディテールが細かい。最近、のっけからスピード感ばかり追求してアクションにする強引な展開の本ばかり見ていたので、良さが際立った。海の香りが漂ってきそうな話。下巻も楽しみ。2016/12/24
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
69
失礼を承知で言うと「和製ダーク・ピット物」。400年前に10億ドルを超える財宝を積んだまま太平洋で難波したスペインのガレオン船。船の引き揚げを狙う水中考古学者とトレジャーハンター。アカデミックが勝つのか、それとも一獲千金を狙う奴らが勝つのか?映画にしたら面白そう。ハラハラドキドキで後半に続く!2017/07/05
うめ
28
中盤から面白さが加速する。宝に目が輝く事を否定せず、眩んで墜ちる事だけを是とせずに、人が守った意志を、歴史を継ごうとする。トレジャーハンターvs考古学者。熱さを秘めた闘いは次巻へ持ち越し。2017/01/29
Norykid
21
現代を舞台とした海洋冒険小説。主人公興田真佐人は海洋考古学の研究者。祖先は戦国末期に航海士として活躍した日本人、興田正五郎。太平洋で遭難し消息を絶った伝説のガレオン船乗りだ。自らのルーツに想いを馳せる真佐人。そんな折、太平洋にて新たな沈没船が発見される。その船は正五郎の乗船アンヘルデアナグリアの可能性が高いと判明。母校の師匠とともに極秘で発掘調査に出発する真佐人。しかし、巨大資本で海の遺跡を荒らしまくるトレジャーハンター会社の魔の手も延びるのだった。学者vs海の山師。その存在意義を賭けた闘いの序章。2016/07/13
MJ
18
笹本稜平作品、初読。多作な作家さんなのに今まで読んだことありませんでした。教えてくれた読友さんに感謝!浪漫あふれる大航海時代の物語に、そして大航海時代の沈没船探索に、大興奮しながら下巻へ。一つ気になったのは登場人物たちのセクハラ (体型や顔を理由に女性を侮蔑する) 発言の多さ。笹本先生、いくら68歳でも時代の変化には追随しないと。2020/07/02
-
- 電子書籍
- ダークキャット 4巻 まんがフリーク