内容説明
魔導士が差別され、虐げられている国ラバルタ。田舎で私塾を開いている三流魔導士レオンは、魔導士の最高機関〈鉄の砦〉からひとりの少年を託される。幼くして家族をラバルタの騎士に殺され、桁違いの魔導の潜在能力がありながら、学ぶことを拒む少年ゼクス。頑なだった少年は、レオンの辛抱強い指導の下で才能を開花させていく。やがてその力を認められ〈鉄の塔〉に召還されたゼクスだったが、貴族の魔導士アスターとの出会いが彼の、そして王国の運命を大きく変えていく。第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞の本格異世界ファンタジイ。/解説=三村美衣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
50
久々の長編を読んだ気がします(#^^#)。「弓と剣」がすんなり読めたので同じファンタジーモノならと手にとりましたが、これは奥が深かった。人と言うものは自分の存在を脅かす者を排除しようとするものだ。人から蔑まれた魔導士。魔導士の持つ力が只の人には恐ろしいものとしか映らない。三流魔導士と言われるレオンが内弟子として引き取ったゼクスは、師匠のレオンの能力を遥かに凌ぐ。そのうち二人は離れる事となるが・・5年後、殺戮において「大魔導士」と揶揄されるゼクスの暴走を止めたのは、探し求めていた師匠のレオンだった。2020/05/12
瀧ながれ
36
魔力の少なさゆえに、基礎訓練や理論面の追求を突き詰めていたレオンが、魔力は大きいが、その使い方をしらずに爆発しそうになっていた少年・ゼクスの師となる。師弟ものは好物なので、警戒してハリネズミみたいだったゼクスをレオンがなつかせる過程など、たいへんおもしろく読んだ。あるハンディを負うゼクスに、そのハンディを覆い隠すほどのスキルを与えようとするレオンと、師の手を離れて次の段階に進む決意をするゼクスの、決別が辛かったけど、彼がレオンのいない場所で、心地よい記憶としてレオンを思い出すのは、なんかいい気持ちがした。2016/08/22
ダージリン
31
魔導師の地位が最下層という珍しい設定でしたが、それによって生まれる人間ドラマが感動的で胸をうちます。そしてレオンとゼクスの師弟愛がとにかく良い~(笑)。続編もお待ちしております!2016/07/31
電気羊
27
魔導師が差別されるというある意味ありふれた設定をテーマとしているが、著者がそれを丁寧に扱っていて好印象だった。 描かれている人間ドラマはどこかにお約束的で先が読めるものであるが著者の文章力が高く、扱い方も丁寧であるため、王道として楽しめる作品だと思う。 変わり種でない王道のハイファンタジーを読みたい人におすすめできる。 同じ創元ファンタジー新人賞の優秀賞をとった玉妖奇譚がライトノベル的雰囲気を持つのとは好対照をなす。
ひろぞー
26
堅めのファンタジーが読みたいねん!と思い、最近創設された受賞作品を知り手に取る。魔導師がめっちゃ差別されてる世界観なんだけれども、主人公の成長や魔導師としての葛藤、仲間との絆、師弟関係とか諸々内容は盛り沢山なわけですが、本当に文書描写が上手です。差別という意味では実際に自分の理解しにくいものや異なるものを置き、それを見下したり憎悪の捌け口にしたりすることで、自分の存在意義を確かめたりしている節がある。そんな人間の残酷さも、うわぁあ!ってなりながらも他人事には思えないです。考えさせられます。2016/12/28
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