内容説明
1人暮らしの部屋で、深夜パソコンに向かっていると背後から聞こえる奇妙な音……その正体に震撼する「カタカタ」。朝起きるたび、数が増え深くなっていく引っかき傷に、じわじわと追いつめられていく「傷」。実在の事故物件をめぐる、不穏なシンクロニシティ。併せて読むと怖さが倍増の「残穢の震源から」「三つの問題物件」他、62話を収録。日常に潜む忌まわしさと恐怖を端正な筆致で炙り出す、正統派の怪談実話集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
115
安定の語り口で本書もゾクゾクしなごら楽しめました。個人的には通常の幽霊よりも、今回は「応接室」や「天狗」のような異形のものが興味深かったです。「悪い店」や著者もあとがきで述べているように、土地に憑いたモノの仕業なのか、立地が良いのに毎回ここに入る店は潰れるよね…というのがあり、うちの近所にもあるそんな土地に、いつも満員御礼な人気ラーメン店が先週から移転してきたので、どうなるやら、ちょっとこの辺で土地の運気変えるかな?と期待して見てます(笑)。2017/09/18
スカラベ
62
この前の夜、不意に2階のクローゼットの上の方から、ガタガタッ!という音が聞こえたので、行ってみた。と、再びガッターン!!と大きな音が間近でして流石にビクっとしたが、勇気を振り絞って、近くにあった棒で天井をガンガン叩いてみたがそれ以後何も聞こえない。実はそういう音が聞こえたことが前にも2、3回あった。ちょうど天井裏への点検口がクローゼットの天井にあるんだけど、音は続かないのでそのままにしていた。音がするのはいつも深夜だし、もし誰かがいたら怖いし・・・そんな実話系の怖い話がわんさか。「残穢」に繋がる話もある。2017/10/22
キンモクセイ
59
実話系の短編集。「古本」105円で買った本。女性の50cm以上の髪の毛や名前が書いてある薬袋がでてきた。気持ち悪い。「混線」ノイズが途切れて男の声で『だから○んでるんですよ』そんなの耳元で聞きたくないな。「フリマで買った絵」まさか絵のモデルになった人と出会うとは思わなかった。「地下倉庫」あるビルの地下には何かいる。絶対に人間じゃない。東京やその近郊には戦時中に掘られた地下壕があるらしい。今だに未発見の壕も存在する。探検しに行きたい。「赤い紙」...貴方が池に居るのなら会ってもらえませんか...イヤです。2020/08/16
J7(読メ低浮上中)
52
福澤徹三さん、最初は他の作家さんに比べて、怪談としては文章が硬く、物足りないなと思っていたんですが、強烈に引き込まれる話がいくつかあり、いつの間にか読みふけってました。福澤さんのスタンス、超自然的な現象とは一定の距離を置いている、というところに共感を覚える。怪談や幽霊が嘘であろうとなかろうと、経験した人間にとっては“本当”以外の何者でもないわけで自分にも、何かのきっかけでそんな体験が訪れてしまうかもしれない。だから福澤さんの怪異譚は、そこに深入りせず中立をもって事実のみを記録するルポライター的な趣がある。2016/08/11
モモ
48
さくっと楽しめました。人から聞いた怪異譚より、後書きが一番怖い感じ。小野不由美さんの『残穢』との類似が怖い。2021/03/07
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