内容説明
十年前まで定廻り同心をしていた小六だが今年は齢六十五。何事も若い頃のようにいかぬ、と自分をふがいなく感じていた。偶然拾った壺の中にあった飴玉をなめた小六に大変な出来事が。若々しい青年の姿にもどったのだ。しかしその効力はながく続かない。不思議に思いながらも、小六は、頼りない新米同心の孫が一人前になる手助けのためにその飴玉をこっそり使う。秘薬で若返り、得意の剣を繰り出す前代未聞「若返り同心」参上!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
21
面白い!盗人が落とした飴を食べて若返った小六がちょっと頼りない孫の為に手助けをするのですが、所々にちりばめられたユーモアが壺でした。でも、若返った分だけ身体的にダメージが大きいようで動けなくなるのはちょっと心配です。さらに孫の恋路や上様が飴を探すように命じるなど、これからも見所が沢山あるようなので読むのが楽しみです。2017/05/09
ぶんぶん
17
ひょんな事から「若返りの秘薬」を入手した隠居の元定廻り同心・如月小六。 日頃、孫の晋之介の不甲斐なさを嘆いており、この新米見習い同心を助けようと画策する。 若返りがミソになっている、効果は半日、しかも体力の消耗が著しい、さて、小六上手く立ち回れるでしょうか。 設定が若返るってことで、周囲にばれないかと言う事。 しかし、小六の腕前は確かだし、着物の着替えも用意するし、段々面白くなってきた。 エンターティナー時代小説、開幕!2018/10/15
むつこ
15
時代物SF小説かな。盗人の落とした壺の中にあった飴玉を食べると若返ることを知った主人公が孫のために一肌脱ぐ連続短編集。飴を食べるたびに体力を消耗する主人公が最終的にどうなるのか不安になってくる。。。2017/04/07
一五
10
“若返りキャンディー”銭天堂か!?な設定😆 頼りない同心なりたての孫を助っ人する、元同心。飴 数限りあるし、本来の持ち主は探そうとしてるし さてさて2021/07/11
アカウント停止
8
飲むと若返る不思議な飴玉を手に入れ奔走する主人公、小六。時代小説でこういう設定は珍しいかもしれない。 可愛い孫、晋之介のために一肌脱ぐ若い小六がいつ登場するのか、期待しながら一話一話読んだ。 孫を思う妻や娘とのやりとりも楽しくて笑わせてくれる。 愉快痛快で時にはほろっとさせてくれるが、「老い」についても考えさせられる作品だった。晋之介の成長と恋の行方とともに、飴玉の行方も気になる。2016/10/08