内容説明
60年代の少年たちの青春を叙情的に描いた、松本隆の長編小説処女作
「やあ暗闇、ぼくの旧い友だち また君と話をしに来てしまったよ」。16ばんめの夏、平凡な高校生の「ぼく」は、バンド仲間と一緒に、ビーチボーイズのヒットナンバーが流れる海辺を訪れ、そこからひとつの物語が始まります。少しだけ年上の少女との出会い、ささやかな冒険、親友との友情、美しくも気まぐれな彼女との恋、日本中を熱狂させたザ・ビートルズの来日公演。さまざまな人との出会いが、少年の心に少しずつわずかな熱をおびさせていきます。60年代に高校時代を過ごした少年たちの淡く切ない青春を、リリカルなタッチで描いた、作詞家・松本隆の処女長編小説です。
目次
■一章:踊ろうよBABY
■二章:君の名前を呼びたい
■三章:海を渡る電車
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マツユキ
15
二十年以上前に読みたいと思った作品を今ごろになって。文庫があることに、感動。 バンド仲間で海を訪れた16才の「ぼく」が出会ったのは…。 色々起こりますが、淡々とした主人公。でも、初めての体験だらけで、胸の内はざわついていて、これが微熱かあ。切ない。主人公の見る夢、そして、文自体が別の世界に誘ってくれている感じがして、気持ちの良い読書でした。2020/02/29
しみさん
8
人生で5回目の大瀧詠一マイブーム その名コンビである松本隆さんが書いたこの小説がふと読みたくなりました。 【雨のウェンズデー】【恋するカレン】【硝子の少年】などと通じる切なさ、優しさを感じた。2018/02/10
こっこ
5
★★★☆☆ 松本隆の歌詞が好きだった。特に大滝詠一の「ア・ロング・バケイション」や「イーチ・タイム」。学生時代、テープに録音してもらって、本当にすり切れるくらい聴いたものだった。中でも特に好きだった曲が「雨のウエンズデイ」だった。この小説の中に、その「雨の~」の歌詞がノベライズされ挿入されている。「壊れかけたワーゲン(カブト虫)」ではなくて、「スバル360(テントウ虫)」だってのは、ご愛敬だ。都会的で、知的で、おしゃれで、ナイーブで、幾分か不良っぽくて、でも結局お坊ちゃんな少年達。→2016/09/25
眠りスナメリ
4
高校生の頃に読了。
ガジュマル
2
風を集める松本隆の自叙伝的作品。微熱というより低温にも感じる16歳「ぼく」の友情、恋愛、冒険やらの青春譚。ビートルズのチケットを巡る件は、読み手を高熱にさせるモノがある。とてもドラマチック。60年代の東京風街の空気感は「ひよっこ」も思い出した。2019/03/19
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