内容説明
「蔵前駕籠」「船徳」「品川心中」……古典落語の傑作三十一話の舞台を訪ね、往時を偲びながら、落語の聞きどころ、味わいどころをたっぷり鑑賞する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
9
矢野さんの本はひさしぶり。本書は1964年のオリンピック後の東京の、落語の舞台になつた土地を訪ねたエッセイ。江戸の風情の残滓をうまく見つけた文章で、あざとくなく、適度な余韻もある。矢野さんが師事した戸板さんや、江國滋さんの文章の風合いにも似て、50年前の東京なぞは知りもしないのに、懐かしく感じられた。2017/12/31
うしろや
0
新宿区の隣が何区なのか知らない。新宿駅が山手線だとしても、隣が何駅か知らない。東京のことはほとんどわからない。落語に出てくる地名は知ってるけど位置関係は分からない。この本もあれこれ出てくるけど当然わからないのないない尽くし。いやあ、そんなんどうでもよろし、古き時代の落語のネタの紹介を、古き50年ほど前の本で読む。おもしろい。落語というものがそもそもおもしろいんだから、ちゃんと紹介してればよろしいんじゃないでしょうか。自分がこんなにやさしいとは。いいことでもあったのかな。本の感想って、ほんとにないなあ。2022/05/31
龍太郎
0
東京オリンピックの後、昭和40年代前半の東京を歩き更に昔を思いやる。2019/01/22