内容説明
独自な取材と警察を通じてサンカとの圧倒的な交渉をもっていた三角寛の、実体験と伝聞から構成された読み物。在りし日の彼ら彼女らの生態が名文でまざまざと甦る。失われた日本を求めて。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
31
どこまでがフィールドワークでどこからが寓話なのか煙に巻かれました。見知っている地名も出てきて、昭和初期にはさぞや鬱蒼とした森であったろうと想像すると、なんだかわくわくしてきたのでした。2014/09/23
ちぃ
16
戦後まで、こういう、戸籍なく、狩猟採集(+手仕事による少しの収入)によって暮らす人たちが普通に市井にいたということがびっくり!こうした人たちって、今はもういないんだろうか?本当に?最近は日本の民俗学を読むことがとても楽しいです。2021/01/10
猫丸
9
山窩、三角とくれば三題噺のように「学術的価値なし」と語られるのが定番化しているのが怪しい。アカデミズム傍流を排除したい圧を感じざるを得ない。出典を明示して先行研究を山ほど引用、師匠筋の学説を持ち上げて書けば、少なくとも紀要には載っけてくれる。これで学者の一丁上がりだ。僕は基本的に「学者」の学力を無条件には信用しない。彼らが三角を認めないのは彼らの基準を適用するからにほかならない。小説を含む三角寛の仕事は、常民の域を外れた人たちの息吹を伝える立派な業績である。そこに民話の典型構造が現れるのも興味深い。2023/07/31
ダージリン
3
「山窩奇談」に引き続いて三角寛氏の山窩ものを読んでみる。未だ山窩のイメージがくっきりとはしないところだが、読み物としては大変面白かった。「化茸」は山梨の昇仙峡周辺が舞台となるが、この辺りは私の地元に近く、千塚、清川、芦沢と馴染みある地名が次々に出てきてなかなか面白かった。山窩については興味を掻き立てられたところなので、もう少し色々と読んでみたい気がする。2024/03/23
つちのこ
3
途中まで読んで内容がうさん臭くなってきたので、以前読んだ『サンカと三角寛』(礫川全次著 平凡社新書)をめくり著者について調べてみた。 サンカ小説の代表格である三角は、戦前から戦後にかけてサンカと接触し、その実態を調査した研究者である。しかし一方で脚色が濃い眉唾まがいの内容の小説も書いているので、どこまでが本当なのか分からず、これがサンカの真実を迷走させる遠因になったようだ。ヤラセ臭い?サンカの瀬降(住居)探訪のルポも今となってはその真偽は謎のままだ。民族学の観点から末裔を探し、掘り起こす意義を感じる。2021/05/29
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