岩波新書<br> 世界の名前

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader

岩波新書
世界の名前

  • 著者名:岩波書店辞典編集部
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2016/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315988

ファイル: /

内容説明

世界の人々はどのように子どもに名前をつけているのでしょう? どこでも「名前=姓+名」なのでしょうか? 名前の仕組みやこめられた意味を,古代から現代にいたる世界各地,そして神話や『指輪物語』まで,100のエッセイで紹介します.想像もつかない習慣や隠された意味,歴史との意外な関係をお楽しみください.

目次

目  次
   はじめに

 1 古代のひとびと
   月に守られた者 古代インド/古代東西文明の狭間で 古代アナトリア(ヒッタイト)/王の名は決意表明 古代エジプト/名付けの力、名への畏れ 古代ヘブライ語/「名は体を表す」か? 古代ギリシア/一五人のプトレマイオス王 古代マケドニア/決闘で首飾りを奪うと 古代ローマ
 2 名前の仕組みと形
   真ん中は「クッション名」 ベトナム/頭は短く尻尾は長く カンボジア/ちょうどいい長さ チベット/名前よりも大事な出身地 スリランカ・シンハラ人/意外に「国際的」な名前 アルメニア/カミカゼ通り グルジア語/スウェーデンの「ソン・ネーム」 スウェーデン/マイケルス・ジャクソンス? ラトビア語/旧大陸の長い姓 ポルトガル語/物語を紡ぐ名前 バルカン半島/なぜ姓・名の順なのか ハンガリー語/チェコ語の姓の不思議 チェコ/何でもあり? ウクライナ/名前が語る家族史 マダガスカル
 3 姓はどこから?
   姓ができない事情 ビルマ語/大統領の名前を読む インドネシア/モンゴル人の名前に関する生態学 モンゴル語/本人・父・祖父をつなぐ アラビア語/姓が創られたとき ト ル コ/原風景を抱く フィンランド語/父祖のルーツを物語る名字 アイルランド/ベーコンさんと脂肪さんの結婚 オランダ語/さすが、職人の国 ド イ ツ/大西洋の東と西 フランスとケベック/エミール・ゾラの曽孫たち フランス/何と妙な名字か! スペイン/大統領の名字の話 スロヴァキア/名字と語尾ナショナリズム ベラルーシ/姓はどこにも住まない セネガル、ウォロフ語
 4 歴史を遡る
   数千年の歴史が溶け込む エジプト/「地の果て」に咲く人名の花 モロッコ/教皇はどのようにして名前を選ぶか ローマ教皇/ビザンツはローマより出でて…… ビザンツ帝国/東も西も 昔も今も ブルガリア/遊牧・イスラーム・ソ連の響き カザフスタン/名前に翻弄される主人公 中世フランス文学/ドナルドの息子、マクドナルド スコットランド/神格化された指導者たち アステカとトルテカ/王の名の使い道 インカ帝国
 5 名付けの想い
   犬も食わない名前 現代中国/ウイグル人の名付けと祈り ウイグル語/お隣さんの名前を知らないの? ラ オ 語/ふたつの名前 ベンガル語/英傑と偉人と イ ラ ン/アフガニスタンの響き パシュトー語/代々繰り返された名前 デンマーク/古き良き名を求めて ノルウェー/中世以来の伝統と個人主義 アイスランド/禁じられた名前 イタリア/メッセージ性を尊ぶ ブラック・アフリカの鳥瞰/名前は記録する ウガンダ、ニョロ語/名前は生まれ変わる ガ ー ナ/息子に「おばあちゃん」 カナダ、イヌイット
 6 いくつもの名前、変わる名前
   似ていてはいけない アイヌ語/内側の名前 ウイルタ語/君の家の名は? 琉 球 語/三種類の名前の言い方 タ イ 語/まずは通り名で イ ン ド/変わる名前、変える名前 パキスタン/新しいユダヤ人になる イスラエル/自分の名前を名乗れる幸せ カタルーニャ語/欧州的、バスク語的、?的…… バ ス ク/人と人生を物語る名前 アメリカ先住民/人種差別のトラウマ アメリカ/見えるルーツ、見えないルーツ ラテンアメリカ
 7 歴史の中の名前
   「謎の名前」から「中国化」へ マンジュ(満洲)人/名前になにがあるの シェイクスピア劇/南アフリカに息づくフランスの名前 アフリカーンス語/剥奪から混淆へ カリブ海諸島/寂しい大王 ハ ワ イ/名は歴史を表す ギリシア/「ドストエフスキー」から見えるもの ロ シ ア/宿命を伝える名前 アルバニア/それでも皇帝の名前は光り輝く エチオピア/王と貴族と平民と イギリス
 8 多言語社会では
   あなたの漢字は何ですか 韓国・朝鮮/本名は誰も知らない 香 港/半世紀前の多言語空間を闊達に生きる 台湾プユマ族/ローマ字表記は時代とともに? シンガポール/ネパール語の浸透と民族差 ネパール/君主の署名 ベルギー
 9 名前にまつわる習俗
   「名前の日」とお国ぶり ルーマニア/名乗りに示されるもの マ リ/カーターとゴアの本名は? アメリカ/一つの言葉 パプアニューギニア/名前と土地の深い関係 ヴァヌアツ
 10 神話・伝承の中の名前
   アトリ仙の名乗り インド神話/「オイディプス」の謎 ギリシア・ローマ神話/北欧神話の大神オージンの異名 中世アイスランド語/アイノの日 カレワラ/暦と神々 マヤ・アステカ/神話に由来する名前 オーストラリア/想像世界の名前の理屈 『指輪物語』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

57
日本でよく知られている国では、日本と同様、姓と名の組み合わせが多いので、ついそれが、世界的なスタンダードだと思いがちだ。ここに書かれたように、家族・家の名前を名乗らずに、自分の名と父親の名の組み合わせを名前にする例がすごく多い。また自分の名だけである例がミャンマー。「アウンサンスーチー」さんは「アウンサン家のスーチー」さんではない(全体で彼女の個人名)、というのには驚く。また読んでいくと、世界的にも「姓」を名乗る習慣は決して古くからのものとは言えず、日本がそんなに遅かったわけでもないらしい。文化は多様だ。2022/06/17

Tadashi_N

36
苗字が存在しない国が思ったより多い事を、初めて知った。2017/09/09

きいち

35
なんとも楽しい100のコラム集。国あり地域あり、古代に神話の世界に指輪物語まで、とにかくネタ重視でそれぞれ専門とする著者により書かれたもの、我々が普通に名前と考えている姓・名(および名・姓)がどれだけ偏った形なのかを思い知らされる。一つ一つは短い文章だが、なんだか学問の力、って感じ。2019/08/07

ふろんた2.0

27
世界の人の命名規則に様々な研究者が考察。姓名があることって、主流とまでは行かないのか。苗字のつけ方って結構雑なものが多いんだな。2016/06/11

こぽぞう☆

20
世界各地の名前についてのコラムを集めている。図書館本なのでそういうわけにはいかないけど、海外の古典など読むときに側にあると便利かも。2016/07/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10673616
  • ご注意事項

最近チェックした商品