内容説明
大河の恵みを受け、メソポタミアには人類最古の文明が誕生した。そこは農産物こそ豊富だったが、木材、石材、金属などの必要物資はほとんどなく、すべて遠隔地からの輸入に頼っていた。輸送を担ったのはアラビア湾の海洋民たちである。彼らは湾内に拠点を構え、遠くメソポタミアからイラン、インダス河流域まで出張して取引し、巨富を得ていた。一大交易ネットワークを築き上げた湾岸文明の実態がいま明かされる。考古学の新しい成果に文献史学の知見を援用し、農耕文明を中心とする従来の古代文明論に挑戦する大胆な書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
32
とにかく資源のないメソポタミア。その遺物にはインダスから運ばれたものとか出てくる。で、その中継貿易をやってたのが今のところ確定ではないけれど、オマーンとかバハレーンで発掘されてる存在がどうもそのディルムンじゃないのか?原エラムがインダスの生みの親的存在だったかもしれないとか、交易ネットワークを通じた先史西アジアの話。特に著者が掘ってるペルシャ湾のバハレーンあたりがディルムンなんじゃ?という仮説を紹介してくれている本。ただ、物証がまだまだ足りないし、(続く2016/02/07
Masako3
3
現イラクのメソポタミア文明は、農耕文化であったが、生活に必要な資源に乏しく、イラン高原やアラビア海に広がる他民族国家群との交易が必須であったということ。 中東の地名、歴史に明るくないのでとても難解でした。2016/03/13
サタイン
2
メソポタミアとインダス。全然交流ないと勝手に思っていたが、エジプトとメソポタミアが交流あったぐらいだからとこちら側も交流があった。その間をつないでいたのがアラビア半島東側の沿岸部でそちらにも独自文明があったというのは全く考えたこともなかったが、確かに言われてみれば…と。 まだわかってないことも多いけど、もっと分かるといいなと思いました。2024/05/16
夕波千鳥
2
p.86-87の「インダス文明の成立に、ハラッパー文化の人々に加え、トランス・エラム文明の人々がかかわっている」という考察が興味深い。 メソポタミアとインダスをつなぐ海洋民族がイラン高原沿岸部に居たという話で、その本拠地や担い手の変遷を順に追っていく内容。 考古学的発見を中心に、色々と根拠を述べているが、膨大で正直、何が何だかわからなかった。 紹介されている土器や銅器の分布を上手に資料として用いれば、授業で生徒がメソポタミア=インダス間の交易ネットワークを描くことも不可能ではなさそう。2020/05/14
naoto
2
メソポタミアとインダスの間というと…ペルシャってことになるんだけど。メソポタミア…イラク、インダス…パキスタン、ペルシャ…イラン、というとわかりやすいのかな。メソポタミア文明とインダス文明の他にも、いわゆる西インド洋には文明があるんだよ、ってことなんだな。2018/11/30
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