内容説明
かつて「悪の枢軸」と名指しされるも、急速にアメリカとの距離を縮めるイラン。それに強い焦りを覚え、新しいリーダーの下で強権的にふるまうサウジアラビア。両国はなぜ国交を断絶したのか? 新たな戦争は起きるのか? ISやシリア内戦への影響は? 情勢に通じる第一人者が、国際政治を揺るがす震源地の深層を鮮やかに読みとく!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
中東情勢を解説した一冊。2016年刊行だが、その間情勢がどんどん進んでいる事に驚く。本書刊行時点のホットなニュースとしてはアメリカとイランの合意や難民問題が取り上げられているが、合意はトランプ時代に破棄され残りの問題も現在はほぼニュースに取り上げられる事はない。いずれもウクライナ一色だし。あとイランとサウジアラビアの対立に焦点を当てているが、こちらはイラン寄りのように思う。国というシステムを国民国家という視点からだけで見ているように思えるし。とあれ今読むと古い部分もあるものの、教えられる事は多かったです。2022/09/24
shikada
24
中東問題を地政学、利権の視点から解説する一冊。日本メディアの中東解説は宗教問題に偏っている、宗教は重要だが、中東の諸問題の原因は宗教だけではない、と論じる。自分自身は中東の知識がなく「いつもきなくさい地域」程度のめちゃくちゃ浅い理解しかなかった。本書を読んで、きなくさいのには、過去の歴史に基づく原因(米ソ対立、英仏の分割統治など)があることがわかった。難民やテロの震源地であり、各国の対立関係が複雑な中東情勢を、多少なりとも知ることができたと思う。2020/01/23
ntahima
24
【Kindle-10】以前無謀にも『アラブ500年史』という電話帳みたいな本を選んで消化不良に苦しんだことがあるが本書は非常に分かりやすい。著者本は初めてだがラジオ、テレビでの解説は常日頃傾聴している。門外漢である私には学問的業績の評価はできないが中東情勢についての解説なら“静の高橋、動の内藤、妖の中田(敬称略)”がベストか?本書では複雑な中東情勢を敢えて宗教対立に拘泥せず平明な文体で解明している。『500年史』で無理やり流し込んだ情報の断片がいくつかの塊になりパズルの全貌が朧げながらゆるりと立ち上がる。2016/07/22
中島直人
21
中東を巡る大まかな『雰囲気』を掴むことができる、読みやすく分かりやすい本。が、著者も書いている通り、分かりやすさを重視するあまりか、少し平板で薄い印象を持ってしまうかも。入門編として適ではないかという印象です。2016/08/22
skunk_c
20
イランとサウジアラビアに焦点を当てて分析。イランの核合意を受けているため概ね好意的な書き方。一方イエメン内戦に介入したサウジアラビアには「国家もどき」などと手厳しい。『イスラム国の野望』よりは目立たないが、やはりアメリカに対する批判は手ぬるい。というより、アメリカの消極政策の中で中東情勢いかんでは中国・ロシアの台頭が避けられないという見取り図か。分かりやすいが例えに難あり。ロシアとトルコの度重なる紛争を早大と東大の野球に例えるがいかがなものか。IS情勢は楽観的。パレスチナのガザ問題は全く登場せず。2016/08/17
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