講談社文庫 踊る人形

著者名：森川智喜【著】

講談社（2016/07発売）

• ISBN：9784062933049

内容説明

身体を自在に着脱できる人形男がどこまでも追ってくる！　目的は、自分の生みの親である博士にもう一体動く人形（ゴーレム）を作らせること。これに対し少年探偵隊は、唯一の弱点である頭部内の「命を生む紙」を入手しようとする。しかし、ようやく目にしたのは聞いたのとはまったく違う文字だった！　周到な論理によって構築された極限状況ミステリ。

目次

怪人誕生
人形以上は人間以上
地獄耳
ハンドボール
われら少年探偵隊
囚われの少女
隊長の推理
おつかいおばけ
秘密兵器
人形男のあっちこっち
無理心中
気づいて！
暴れる大蛇
ゴング鳴る
九死に小休止
依頼人登場
スキあらば
三が三拍子揃わない
ばんざい
一同集めて、さてといい
フリーキック
好き、好き、探偵先生
不死身だが仕方ない
トランク
涙流れるままに
探し物はなんですか
人形の家
情けは人形のためならず
プライベートアイ
先生の装置
殺してやる！
敵はここにあり
人形はなぜ殺される
ド畜生
踊りを終えて
スリーピングドール

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[takaC]

この設定、好き嫌いが大きく分かれるだろうね。自分は好きだよ。もちろん。

2017/04/07

[セウテス]

【名探偵三途川理】シリーズ第３弾。江戸川乱歩先生の少年探偵団シリーズを知っている私は、この語り口に心が踊る様だった。身体を自在にバラバラに出来る不老不死のゴーレムと、少年探偵たちの特殊条件下での頭脳戦が繰り広げられる。これは明智小五郎ばりの三途川理の登場なのかと、怪訝に思っていたのだが、現れてみればゲスさ満開の何時の三途川にホッとする。主人公の探偵がマトモに見えるのが居心地悪い、というのも本シリーズの特徴だろう。最後にゲスな真相が判明し、三途川は女のゴーレムと絶海に消えるのだが、ゴーレムの無事を祈りたい。

2022/06/01

[papako]

三途川理シリーズ。今度はゴーレムですか。手足耳口目、なんでもバラバラに出来て、頭の中の紙の文字を消すまで死なないという条件を、これまた上手く取り込んで、翻弄してくれました。三途川のクソ加減も冴え渡り、だけど最後はまるくおさまった。やっぱ、ノリとイキオイだけで読まないとついてけないのに、癖になる。

2019/05/07

[hnzwd]

最悪の探偵 三途川理シリーズ第三弾。今作は命を吹き込まれ、身体をバラバラにするという特殊能力を持つゴーレムがお相手。主人公を三途川理を崇める少年探偵団の隊員にし、同シリーズへのオマージュっぽい描き方は楽しく、題名からもはっきりわかる過去の名作と絡めたネタもしっかり。伏線と推理って意味でやはり完成度の高いシリーズだと思います。

2016/02/24

[ミーホ]

[再読]初読は単行本で。三途川シリーズ3作目。乱歩の少年探偵団ならぬ少年探偵隊が、体をバラバラにして各パーツを自在に操れるゴーレム相手に大奮闘。森川作品の醍醐味である、この独自な世界の独自ルールに則り推理する過程がたまらなく面白い。後半になってやっと登場する三途川は、明智先生バリに少年達の尊敬を集めているが･･･やっぱり期待を裏切らずにゲスかった(^ω^)そうこなくっちゃ。タイガの新刊が待ち遠しい。資産家の娘出てくるかな。

2016/02/29