内容説明
人はいかにして魔道師になるのか……。注文を受けて粘土をこね、ろくろを回して魔法を込めた焼き物に焼く。はたして魔道師は職人か否か……「陶工魔道師」、女たちの密かな魔法組織を描く「闇を抱く」、死体を用いる姿なきプアダンの魔道師の復讐譚「黒蓮華」、そして魔道ならざる魔道を操る者、もう一人の〈夜の写本師〉の物語「魔道写本師」。異なる四つの魔法を操る魔道師たちの物語四篇を収録。『夜の写本師』で一躍脚光を浴び、日本ファンタジーの歴史を塗り替え続ける著者の人気シリーズ〈オーリエラントの魔道師たち〉初の短篇集。/解説=三村美衣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
65
そうか、どことなくタニス・リーさんのような目線を感じるからなのか。壮大精緻な世界観、時に無常な運命に翻弄される人々。物語の醍醐味を堪能。シニカルな陶工魔道師、密やかな魔女たちのネットワーク、暗殺魔道師の復讐、写本魔道師の冒険。それぞれの生い立ちが物語となる。それぞれが一冊の物語に価する充実さ。プアダンの暗殺魔道師の、どこか心を捨てきれない暗殺譚が悲しい。世界の端っこにさえ、こんな物語がある精密な世界観!2016/12/17
くたくた
40
単行本から『紐結びの魔導師』を抜いて、『陶工魔導師』が追加されている。お話としては酸いも甘いも噛み分ける『陶工魔導師』が一番好きだが、まったくもって救いのない『黒蓮華』が黒々としているのにとても心惹かれた。(ラストにちょっと救われるけど。)『闇を抱く』は女たちの自衛の魔術アルアンテス。そしてもう一人の〈夜の写本師〉、イスルイールのやや若い頃のお話。イスルイールはやっぱり魅力的だった。にゃんこを蹴るのは人間だけ。至言。2025/02/05
うめ
33
長編は濃厚で読み終えた後にしばし放心するのだけれど、今回の短編はより身近な感じ。4話それぞれ魔道も違えば出てくる人々の色合いも異なる。どれも好きすぎて一番が決められない!魔道師シリーズは、刊行順に読むのも良いけれど、この短編から入るのがもしかしたら一番、なのかもしれない。2017/01/05
小夜風
32
【所蔵】短編集。魔道師が美容師や医師のように日常に溶け込んでいるこの「オーリエラント」という世界にもう夢中です。しかもとてもバラエティーに富んだ魔道師たちで、次はどんな魔法が出てくるのかとワクワクしながら読みました。最後は巡りめぐって「夜の写本師」で、またシリーズ最初から読み直したくなりました。他人を恨んだり呪ったりすることはもちろん、ちょっとしたズルや悪事も、いつか自分に返ってくる。「人の不幸せなところは、本当に幸せなときにそれに気づかない」こと。このシリーズ、まだまだ続くみたいでとっても楽しみです。2016/09/02
豆乳くま
30
夜の写本師シリーズの短編集。人々の恨みや望みを叶える為焼物を焼く陶工魔道師、虐げられた女達を守り救う魔法使い、自分の村を殲滅させられ暗黒の力を萌芽させ成長した死の魔道師、そして写本師。どれも静かで昏くひっそりその負の代償を背負い魔法を遂行する。この世界観に浸り切りました。2016/12/24
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