内容説明
なぜ「東大は強くなった」のか!? 東京大学野球部特別コーチとして2年にわたり指導した著者が、初めて綴る活動記録。「キャッチボールで大声を掛け合うのは意味がない」「ダウンスイングの打者は打ち取るのが楽」など、野球界の常識を覆す理論が目白押し! 「アウトローにまっすぐが決まればアウトが取れる。どこまでいってもそれがピッチャーの原点だ」――薫陶を受けた左腕・宮台康平投手が2016年春、東京六大学野球リーグ戦で3勝! 甲子園経験者も150キロの速球もいらない、“頭脳の野球”の指導理論と哲学を凝縮。野球指導者のみならず、あらゆるスポーツマンに役立つヒントが満載です。東大野球部OBで、NHK「ニュースウオッチ9」元キャスターの大越健介氏との特別対談も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
30
二度と高校生活に戻りたくないOBが多い事で有名な、PLで人の三倍の練習をしていたと噂されていた桑田氏の著書。野球教本に見受けられるピッチング・フォームの間違いの説明。練習時間で評価するのではなく、練習内容で意味を説明しながら、指導する方法は東大には最適なのかも知れない。しかし、一進一退が続き、初勝利までのハードルの高さを思い知らせる。このがドラマと真実の違いだろうが、確実に力を付け行く過程はこの本を読んで感じる事が出来る。そして初勝利を迎える充実感は味わえる。桑田氏の今後の指導者としての活躍を期待する。2021/03/13
洋
27
短時間で効率の良い練習法、練習中は選手が主役。コーチをしていた2年間だけじゃそんなに簡単には勝てない、ドラマの様には上手くはいかないね。勝つ喜びを味わう為には何をすべきかを導き出す桑田さんの姿勢がとてもいいなぁと。準備・実行・反省、これは野球以外のことにも通じるなって思いました。東大野球部繋がりでの大越健介さん(新潟出身アナウンサー)との対談も良かったです。2016.06.052016/10/19
西澤 隆
10
スポーツの物語はどんどんインフレする。それだけに丁寧な指導をした結果が「コーチ期間中の快進撃」ではないのがとても現実的。根性論はよくない。ならばどうするのか。置き換えるべきものをきちんと呈示し、怪我はともかく故障はしないようにする(=間違った方法、量、負荷を避ける練習計画)その上で量より質の練習のために都度考えチェックして修正するというアプローチはとても現実的。自分の中のノウハウ活用に限定せず教えるために必要なことをきちんと考え言語化するために努力が必要だということ。スポーツコーチに共感してほしい本です。2020/03/05
たか
9
良書。野球に興味ない方もぜひ。2016/08/28
Humbaba
8
下手な人間が上手な人間と伍していこうと思ったら、練習は不可欠である。しかし、ただ練習時間を伸ばせば追いつくことができるかといえばそんなことはない。長時間やって疲れ果ててしまえば、集中した練習など到底できない。短時間でもやるべきことを理解して集中して練習することこそが良い成果を生むための秘訣となるだろう。2016/08/25