内容説明
もはや「戦後」は歴史の彼方にある。ベストセラーの第2弾は、陸軍中野学校の秘密、昭和天皇に戦争責任はあるか、吉田茂、岸信介、田中角栄の知られざる肖像などますます充実。さらに「宮中祭祀」という平成皇室のブラックボックスを衝き、皇太子や秋篠宮発言の深層に迫る原武史氏との対談を新たに収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
3
第二次大戦の元凶、東條英機の無能かつ姑息ぶりが余すところなく語られる。ソ連のスパイとして情報を流していたゾルゲ事件は有名だがゾルゲとともに活動していた尾崎秀樹が当時の近衛首相のスタッフだったことが日本にとって不幸だった。東條は近衛の弱みを突き、内閣を解散させ、真珠湾攻撃を敢行、日本に地獄をもたらした。また、有力代議士だった中野正剛はコミンテルンを疑われたことで、逮捕拘束される前に割腹自殺した。A級戦犯として拘束される前に、自殺未遂しかできなかった東條と比べると見上げたもの。情けない男に振り回されたものだ。2021/07/06
さえきかずひこ
2
巻末に収められている『宮中祭祀というブラックボックス』(原武史との対談)が極めて興味深い。2010/10/18
ラブミーテンダー
1
1,2読んでなかなか面白かった。1よりも2のほうが考えさせられることが多いように思う。2の巻末付録の対談は大変だなぁという感じ。ああいう世界にも嫁姑が絡むんだなぁ・・・2013/07/29
アノマリー
1
◎昭和史について保阪氏が日頃から疑問に思ってたことについてオムニバス形式にまとめられている。吉田茂についての章は考えさせられた。2013/03/17
ちーけん
1
part1は、東条英機首相の遺族の話なども載っていて、それへの賛否は別として面白く読めたけれど、このpart2はルポルタージュというよりは戦後論という趣の内容になっていて、「それは知らなかった!」という事実に出会えるという意味でのルポルタージュを読む面白さはあまりありませんでした。ただ、陸軍中野学校やゾルゲ事件などについて興味を持っている人が概略学びたいときに読むための入門書としてはいいのではないかなーと思います。本書を読むともっと詳しく知りたくなるので。2011/07/17