ちくま新書<br> 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

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ちくま新書
神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記

  • 著者名:松本直樹【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2016/06発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480068958

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内容説明

『古事記』『日本書紀』は、ただの神話ではない。新しい国家の実現を目指し、大和王権が各地で口承されていた神話の力を利用して創作した、極めて政治的な〈神話〉である。本書では、この二つの〈建国神話〉をどのように読めばよいのかを説き、また「風土記」を読みとくことで、国家・地方間のダイナミックなテキストの攻防を明らかにする。地方が〈建国神話〉を受け入れたとき、「日本人」の自覚と、精神史上の「日本」が誕生した。その過程を目撃せよ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

52
上代文学の勉強用。古事記にかなりてこずったので、解釈に際しとても参考になった。2016/08/04

terve

35
大和王権が自身の正当性を主張するためには、既存の土着神話を取り入れなければならなかった。なぜなら、土着の神話はその土地の生死を司り、社会を規制し、共同体を形成するからである。その中でも完本として存在する出雲国風土記は神話の原形を留めた最たるものである。したがって、出雲国風土記を読み解くことが、記紀を紐解くことに繋がる。というのは簡単ですが、一次資料を丁寧に読み解き、紐解いていく様子は推理小説にも似た面白さがあります。神話を整合させるために、作った人はさぞ頭を悩ませたに違いありませんね。2019/12/20

かんやん

26
神話的思考とか、集合的無意識とか、構造ということではなく、中心にある国家権力が自らの正当性を証明するために意識的に建国神話を作り出す。それはつまり、元々神話には力があるからなのだが、勝手に捏造するだけでは説得力を欠くが故に、周辺的な神話を取り込まざるを得ない。元は出雲のローカルな神であるスサノヲやオオムナチ(オオクニヌシ)を、皇祖神の近親に改変してゆくのである。そこのところを分析してゆく著者の推理力がスリリングである。そして、出雲の方でも又、新神話を自らの内へと取り込むことで、日本となる。読み応えあり。2024/04/28

マッピー

11
神話は好きだけど詳しいわけではないから、いくつもの仮説に対して「そうだ」とも「違う」とも言えないけれど、ヤマタノオロチ伝説が、「出雲国風土記」には収録されていないというのは、なかなかにわくわくする。スサノヲノミコトが天から出雲に降りてきて、一番初めにやったことがこれだというのに、肝心の出雲にはその記録がない。つまり何らかの政治的判断がそこにはあるということ。何があったのか一生正解はわからなくても、紐解いた古典の中に真実のかけらを探す。そのごく一部を読ませてもらうだけで、こんなに楽しい。ありがたいことです。2018/02/14

ムカルナス

11
古事記・日本書紀に出てくる神様は何故色んな別名や系譜があり、話が少しずつ違うバージョンがあるのか?また地元の神社では同じ名前の神様を祀っているのに何故神社の由緒は記紀とは違うストーリーなのか?記紀神話は頭にスッキリ入らないことが多かったが、本書ではそれを読み解いてくれ腑に落ちた気がした。記紀はアマテラスの子孫である天皇が統治するという大和王権の正統性を示すための建国神話であり、各地の神様や神話を建国ストーリーに取り込み脚色することで日本統一のイデオロギーとしたものらしい。2018/01/10

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