内容説明
「この人と一緒にいたい」京都随一の美妓・幾松が見初めたのは維新の志士・桂小五郎の颯爽たる姿だった。幕末の嵐を共に乗り越え、桂は新政府の参議・木戸孝允となり、幾松はその妻・松子となるが、結婚を境に二人の愛は姿を変える。国事に忙殺され次第に消耗する木戸。苛立ちと愛の渇きを、若い役者との「遊び」で紛らわす松子。――動乱期の女性の生きざまと、愛の軌跡を綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Melody_Nelson
3
南條範夫が描く、桂小五郎(木戸孝光)と幾松(松子)の小説…なのですが、最初は史実または史実に近いものかと思って読んでました。神経質っぽい小五郎と、芸妓上がりの幾松であれば、さもありなん…という感じですが。こうした幕末の志士の恋愛もの?をストレートに取り上げた小説を読むのは初めてで、ああ、この人たちも生身の人間なんだよね、と親近感を持ちました。2014/07/09
Moonlight_Hope
2
2004年の大河ドラマで桂を石黒賢、幾松を菊川怜。 最終回でこの夫妻が明治になって数年後、洋風になった暮らしをするシーンがある(洋館に住み、朝ごはんがパン食、テーブルで食べる) そのドラマを観て、幾松が松子となってから二人は幸せに暮らしたんだろうなと思っていたけれど。 どうしてどうして、この本を読むと幻滅。 この物語が100%真実だとは思ってはいけないのかもしれないが、若かりし頃に燃え上がった恋が、時代の変転により醒めてしまう。 二人の恋が続くためには幕末の狂騒がずっと続いていたほうが良かったんだろうな。2021/08/16
むく
1
幾松は、幕末、木戸を支え生き抜いた木戸妻人。なんて歴史で習いましたが、教科書ではみんなしっかりして素晴らしい偉人たちですが、実際は血の通った、おんなじ人間臭い人たちなんだなぁと感じます。偉そうに見えた伊藤博文だって、超女性好きだったみたいですしね。幾松の気持ちもよく分かるし、木戸の言い分もよく分かる。とにかく幕末は忙しすぎたんですね、、。2011/09/25
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