内容説明
胸ときめかせて、煌めく恋の一瞬を、せいいっぱい着飾って過ごしていたあの頃。すこしだけ背伸びの恋、素敵な時間。でもそれは、遠い昔の思い出……。アッパー・ミドルの素敵な女たちの現在と過去、幸せと悲しみを、東京、芦屋、軽井沢、ヴェネチアなどを舞台に鮮やかに描く15の掌編。女の子と呼ぶには人生を少しだけ経験し過ぎ、女と呼ぶには、まだ早過ぎるあなたに贈る恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カーミン
4
句読点や体言止めが多くて読みづらい。内容も駄作。2014/01/07
Kento Isikumada
1
恋愛していた時はあぁだったのになぁなどと思い出したりする話。短編集。ドラマティックな展開はなく、おっちらおっちら話が進んでいく。胸に引っかかった言葉、忘れられない場面は皆無。2014/06/24
かげろう君
1
『なんとなく、クリスタル』が気に入ったので2冊目の康夫。青春時代を過ぎたように見える女性たちが、追憶に置いて来た男たちや時代を振り返る。柔らかく、丁寧な筆致は、(1冊しか読んで無いけれど)林真理子より女性的かもしれない。あとがきで川村湊が指摘した“心の流れ”を捉えた文体は、古典的な趣さえある。登場人物の女性たちは、背表紙紹介文曰く、『女の子と呼ぶには人生を少しだけ経験し過ぎ、女と呼ぶには、まだ早過ぎ』たのだ。2013/08/21
Mariamaniatica
1
20数年前、雑誌25ansの連載で知り康夫ファンになった作品。あの時代を描いた作品としては私的には最高峰。何度も読み返し、そのたびに鼻の奥にツンと痛みを感じるある意味パンドラの箱的な作品でもあります。ユーミンはあの時代を見事に歌にしていたけど、その小説版ともいえると思う。わかる人にだけわかる世界だと思うけど。しみじみと良いのです、とても。2012/09/21
睡
0
「33年後のなんとなく、クリスタル」が余りにも気持ち悪かったので、口直しにと再読。こちらもクリスタルな人々――東京で気ままに過ごし贅沢もし飽きた妙齢の女性たちが主人公だが、華やかな学生時代は過去のものとなり、今は地道に堅実に暮らす一人一人の胸の裡を丁寧に掬い上げてみせる。初読は文庫版が出てすぐ、1989年の夏だった。電車待ちの買い物だったのが、手放すことなく今に至る。“祭のあと”の、少し寂しいけれど心鎮まる風景を描いた、この書き手の傑作との印象は全く変わらない。厳しい夏の終わりにふさわしい、静かな短編集。2015/08/11