内容説明
婦人雑誌記者の清里は、妻子を連れて温泉地で休暇を過した折、旅先の吊橋で立ち往生して動きのとれぬ女性二人を救う。その一人は同じ会社の電話交換嬢・妙子で、もう一人は、その友人のスタイリスト留美であった。留美の異様な眼差しが、清里の心を射抜く。留美は清里に強く惹かれ、彼との結婚を強く望むようになる。が、道ならぬ恋を諦めてヨーロッパへ旅立つまでの、濃密な愛の日々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
103
芥川賞作家三浦哲郎による長編の恋愛小説。478ページという長さだが、一度物語の流れに乗れば、次々とページをめくってしまう。「短編集モザイク」のような作品が好きで、短編の名手だと思っていたこの作家の力量を、改めて実感した。雑誌記者の清里は、旅先の吊橋で出会った女性留美と恋に落ち、深い関係になってしまう。この出だしの部分が巧みで、その後の彼らの運命を象徴している。不倫を描く小説ながら濁りを感じないのは、端正な文章と作者が登場人物の一人一人を愛情を持って描いているせいだろう。(続きます)2017/11/04
じいじ
89
オトコという人種は、もって生まれた「性」なのだろうか? こんな愛しい妻がありながら、妻以外のオンナが好きになってしまう。さて、主人公は家族旅行先の吊橋の上で身動きできなくなった女を助けたのが切っ掛けで、二人の恋が始まります。まさに、男の不倫の恋である。彼女の「あなたの女でいいの」が、「未婚の母でいいの」に変わり、「あなたの奥さんになりたいの」と、どんどん深みにハマっていく。初読みの三浦氏の480頁の恋愛小説は私の好みでした。もう少し激しい恋模様を期待していたので、若干の心残りがありますが秀作です。2020/11/01
夜長月🌙新潮部
54
夜な短コミュに参加したものの、よい作品が作れなくて悩む日々。一助にと俵万智さんのエッセイを手にして見るとおすすめ本として3冊あがっていてそのうちの一冊が本書でした。 さて、助けてもらったお礼にターコイズな「椋鳥(むくどり)の卵」をくれる女性は素敵です。これは印象に残るでしょう。主人公には何の共感もできないのですが彼女にはひかれます。プレゼントは何もいらない。「あなたがポケットに入るくらい小さくなってくれないかな。」の下りもよいなあ。彼女は全てを引き受けて自分で自分の道を悔いなく歩んだと信じたいです。2018/01/26
ach¡
32
主人公のアラフォーが反町隆史だったらあると思います。竹野内豊でもありです!でも、もうコレは個人的な好みの問題ですから、映像化するなら…西島秀俊の方があると思います。あぁーでもおディーン様も捨てがたいな。どうしようかな…個人的には隆史推しだけど隆史とおディーン様に言い寄られたら迷っちゃうな。どんな危険な橋でも渡っちゃうな。風雲たけし城バリの文春砲で砲撃されてもビクともせず走り抜けちゃうな。菜々子にヤキモチ妬かせたいな。そんで最後は隆史の愛しい女のまま幕を閉じたいな。てことで隆史の一人勝ち!!あると思います。2018/02/09
桜もち 太郎
6
たっぷりとボリュウムのある作品だった。三浦哲郎の幅の広さを感じることができた。この作品は書き下ろしなのだろうか、週刊誌の連載かなっと感じた。最後の終り方にはビックリした。初めから布石はあったが、下向きではなく上向きの気持ちで終わってほしかった。ところで清里の妻に掛かってきた電話は妙子だったのだろうか、その説明があっただろうか・・・。2013/03/20
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