小学館文庫<br> サマードレスの女たち

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小学館文庫
サマードレスの女たち

  • ISBN:9784094062984

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内容説明

無類に面白い短篇小説選集。

1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。
三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後――最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。
《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》
劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫版を電子化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

58
大戦前後、士官から一般人までいろんな人々の日常のひとかけらをすくい取ったような作品。叙情的な文体で静かに語られる、アメリカの持つ傷痕が吐き出したような小さな物語たち。読めば読むほど暗い気持ちになる作品ではあるのだけど、この作品の魅力はそこにあるのだと思う。戦前の話だと表題作や「墓場の街」「おれはデンプシーの贔屓だ」などが好き。その他には「エルサレムのメダル」や「機銃手の後送」。特に機銃手の後送は哀しみのなかに戦争の終わりの黄昏を感じさせる爽やかな読後感がとてもすばらしいものだったと思う。2020/07/22

えりか

44
中産階級の人々、ボクシングファンや若い夫婦、フットボール選手、息子を戦地へ送る税理士、復員兵、保安官の助手、ユダヤ人が、戦時中に終戦後にそれぞれの場所で、日々の鬱憤を、今を生きることへの悲しみを、明日への不安を抱えている。悲しい気分になる短編が多いけれど、それでもみんな果たされるかわからない約束を思いながら、「希望」を見つけながら、笑いながら生きてる姿に胸が切なくなった。2016/08/09

アヴォカド

8
昔読んだ印象では、どちらかというと”しゃれた”印象だったのだが、こんな苦っぽい話だったっけか。。。2016/06/20

とある聖職志願者。

5
猫町倶楽部課題本。ちょっと興味が持てなかった。2017/07/01

Akihiko Kimura

0
あの時代の米国…もちろん自分が知るわけもないのだけど、乏しい知識を動員してタイムスリップした気持ちで読めば、味わい深い作品なのかな。ストーリーが地味な分、かえってリアリティを感じます。2016/10/22

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