スターツ出版文庫 あの夏を生きた君へ

著者名：水野ユーリ

スターツ出版（2016/06発売）

• ISBN：9784813701033

内容説明

学校でのイジメに耐えきれず、不登校になってしまった中２の千鶴。生きることすべてに嫌気が差し、「死にたい」と思い詰める日々。彼女が唯一心を許していたのが祖母の存在だったが、ある夏の日、祖母が危篤に陥ってしまいショックを受ける。そんな千鶴の前に、ユキオという不思議な少年が現れる。彼の目的は何なのか――。時を超えた切ない約束、深い縁で繋がれた命と涙の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[七色一味]

読破。全体を通すと、節ごとの心情の共通性というか統一感と言うかがあまり感じられなくて、ぶつ切りのイメージの作品です。その辺りはまぁケータイ小説っぽいと言えるでしょうかね。主人公が最終的にはイイコではあるんですがいわゆる劇場型。心情の表現が浅かったり深かったりとチグハグ感がありました。とまぁ、いろいろ書きましたが、書いた内容ほど悪い話ではなかった。このエンディングを典型的と取るかどうかは、読者がひねてるひねてないに関わってくるかと。私は、この終わり方は好きでした。

2016/06/07

[Yu。]

家でも学校でも居場所がない思春期の少女 千鶴‥ そんな彼女が唯一心を開ける相手は祖母なのだが、ある日。。本作は祖母の為に立ち上がる孫娘のひと夏の成長が下地にあり、そこへ謎の少年の存在を加える事で奇跡という衣を纏った愛と絆の物語を生み出す。。祖母が果たせなかった望みを時代を経て孫が叶える第五章 絆 はとても沁みます。

2018/09/20

[あやさくら]

イジメられる日々に嫌気がさし、生きているのが苦痛になり口癖のように死にたいと心の中で叫ぶ主人公「千鶴」。イジメの場面がひどく生きているのが嫌になる気持ちはよく分かる。しかし、そんな中で出会ったユキオの戦時中の話から生きていることがどんなに幸せなのか、死にたいと思う事がどんなに不幸な事なのかが分かる。千鶴と共に私自身も考え方が変わってくるようだ。ラスト、話の締めがグッとくるものがあり目頭が熱くなった。 読み易いし、感動作品の為オススメ。

2019/08/15

[ゆみ]

イジメ、初恋に戦争が絡んだ、ベタなお涙頂戴の物語。小腹がすいたときに納豆を1パックだけ食べる感覚で、さらっと読むつもりが病院の待合室で感動の涙がおさえきれず😢ラストの繋がり〜からの〜あとがきも良かった。

2021/05/20

[まる子]

学校でいじめられている千鶴（ちづ）は「生きていたくない」「死んでしまいたい」と学校を休んだ。そんな時、入院した祖母の病院で出会った（？）ユキオ（幸生）と不思議な体験をする。彼と祖母が叶えたかった約束、タイムカプセルはどこに⁉️タイムリミットは余命わずかな祖母が生きている間。ちづが夜に探す理由、命を粗末にしようとした彼女に「当たり前に明日があるなんて思うなよ」の言葉が響いた理由。"戦争モノ×人の死"で泣かされるパターンかと予想はついていたのに…おはじきと絵の場面で涙が出てしまった。スターツに負けた年末（笑）

2023/12/29