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内容説明
1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
255
口から発する言葉は総じて感情が先走るが、手紙に記すことで心を落ち着かせることができる。1932年の往復書簡である。攻撃や破壊の欲動を誰もが抱えているのだろうか。排除から生まれる憎悪。この世界から共感を得ることは稀有だが、理解し難い出来事は数多く転がっている。感情を握り潰されながら、善と悪の狭間で揺さぶられる。真実も捉え方も一つではない。養老氏のテロへの考察に共感する。未だ暗闇に隠れた道標の頁に触れることさえできないが、手探りを止めてはいけない。本書を開く衝動の起きない世界になってほしいと願う。一日も早く。2023/10/27
KAZOO
169
アインシュタインとフロイトの戦争に関連しての往復書簡集です。このようなやり取りをしていたとは全く知りませんでした。かなり凝縮されている感じがします。ただ主題となっていることはかなり重いと思います。うすいのを補うせいなのか、養老先生の解説がありますが若干余分のような感じもします。この書簡だけ読んでみれば、考える時間をかえって与えてくれる気がしました。2016/09/18
Major
105
物理学及び精神分析学それぞれの当時の世界的権威であるアインシュタインとフロイトの間に書簡で交わされた対話。「人間を戦争という束縛から解放できるのか?」というアインシュタインの立てたテーマについて両者が真摯な意見を交わす。アインシュタインによる国際機関の設立という現実的な解決策とフロイトによる人間の本性という根源的な問題の提示の両面からこのテーマについて考察したものである。精神科医の斉藤環氏の解説は特にフロイトの考察について微に入り細に入り卓越している。この解説を読むだけでもよい。お薦めです。→ Note2025/10/13
chimako
99
天才二人の言わんとするところの全てを理解できたとは思わない。が、二人が平和をなんとしても実現したいと望んでいる気持ちは伝わってきた。これはアインシュタインが国際連盟に依頼され、意見交換の相手にフロイトを選んで交わされた書簡である。今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄にアインシュタインが選んだテーマは「戦争」 何世紀もの間多くの人が国際平和の実現に努力を重ねてきたのに未だ平和が訪れないのは何故か。それを片や科学的な脳を持つ思想家として、片や不世出の心理学者として真剣に語り合う。もう一度読む。2016/12/17
けんとまん1007
86
人のこころの奥底にあるものを考える。知性・文化と、人の欲望・エゴ。答えを見出すことは困難。しかし、答えの方向性を見出し、考え、歩み続けなければならない。ふと、ある言葉が浮かぶ「人間がいなければ、地球は保たれる・・・」。2022/08/05
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