内容説明
江戸、芝居町の雀はおもしろ尽に囁きあった。「妾のたたりだぜ。きっと」……おたふく半四郎、目千両と人気の女形(おやま)四世岩井半四郎の怪死に始まる、大和屋を次々襲う、おぞましくも奇怪な事件……。舞台の花の陰にうごめく女と男の愛憎をミステリアスに捉えた標題作ほか、「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」。歌舞伎界の裏を縦横無尽に描いた役者小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
5
30年ぐらい昔、歴史小説よく読んでた頃以来の再読。杉本苑子さんのファンで、当時その流れるような文章に感心したのを思い出す。本作は歌舞伎の世界を題材に採った短編集で、杉本さん自身最も得意としたジャンルではないだろうか。師である吉川英治のような壮大なドラマ性はないが、物語作家としての完成度は師を上回っていると感じる。末尾の年譜を見ると、昭和37年9月吉川英治逝去の翌月に書き下ろし長編「孤愁の岸」を刊行している。そして翌年1月に直木賞受賞。今ではあまり聞かなくなった、弟子入りした作家の充実期の作品である。2013/11/08
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