内容説明
いわれなき罪に問われ、江戸へ命からがら逃げてきた信夫藩の元藩士・佐山壮之助。慣れない江戸で親子四人、細々と生活を始めたが、その前に壮之助を狙う刺客が現れる。斃しても次々に放たれる刺客――。壮之助は、はたして家族との生活を守りきれるのか。武士を捨て町人として懸命に生きようとする男の心情を見事に描き切った作品。風野真知雄、光文社文庫初登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むつこ
16
風野さんの初期の作品。あとがきにもあるように、奇をてらうわけでもない普通の時代小説。これでは人気がでないのも無理はない。ただ、至る所に風野さんらしい文章のリズム、ちょっとしたユーモアと相手への温かさ。今の「プッ」と笑える作風になるまでの過程が感じられます。2017/08/06
Kira
7
図書館本。長編。理不尽な咎を受けて藩を追われた元藩士佐山壮之助は、逃げ込んだ江戸で親子四人の暮らしを始める。しかし、藩主の弟が放った刺客が次々に現われ、壮之助の暮らしを脅かす。幕末の江戸を舞台に、武士を捨てて町人として生きるのもよしとする壮之助の日常と心情が静かに描かれている。その静かな筆致が味わい深かった。こんなにいいものを書いていたのかと知って、作者の多才ぶりを見たような気がする。 2020/09/12
めにい
6
普通の人の普通じゃない物語。ちょっとだけ日常の変な謎が出てくるけれどメインじゃない。最近の風野さんの作風しか知らないのでついついそちらに気を取られてしまった。2016/09/15
ひさか
4
1999年12月廣済堂出版から刊行。書下ろし。2008年1月廣済堂文庫刊。2016年4月光文社文庫刊。武士を捨てることを考える男と家族、周りの人々のお話。あっさりとした単純な話で、あっという間に終わってしまいました。2016/06/03
sai
3
表紙のイラストは大事だな、若侍の話じゃないいやん(苦笑)刺客に狙われる浪人家族の様子が淡々と進んでいく。ちょっと硬い印象もあるが、風野さん初期作品ということで納得。2017/12/08
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