新潮文庫<br> ポー詩集

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新潮文庫
ポー詩集

  • ISBN:9784102028032

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内容説明

詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁と幻想に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クプクプ

56
地元の町のレトロな本屋さんで買いました。「幻の郷(さと)」が特に面白かったです。ポーの作品は初めて読みましたが、文章の怪しいまでの色気が凄かったです。阿部保さんの翻訳も素晴らしかったです。あとがきにボードレールがポーの文章を模倣したと書いてあり驚きました。そういえば私も32才のときに「どくとるマンボウ航海記」をむさぼるように読み、北杜夫の文章を真似したことを思い出し、まだ北杜夫を卒業できていないことを急に恥ずかしくなった読書でした。2019/10/16

市太郎

51
「大鴉」のみ。ゴーギャンの「ネヴァモア」から。楽園への道では、ゴーギャンは生まれたばかりの娘の死の直前に実際に鴉を見たことになっている。その後にマラルメ訳の「大鴉」を知り、着想を得た。完成した絵は不吉な予感や不安に満ち、人物も倦怠感に包まれているよう。肝心のポー作「大鴉」は、精神的な圧迫がすごい。別れや死に際して人は一羽の「大鴉」を飼う。それも一生。鴉との接し方を間違えると精神は狂った方向へ進み始める。理性を失ってはならない。例え返ってくる言葉が「Nevermore」だけだったとしても。2019/02/11

ぱんぺろ

29
神話、伝承の類でもっとも活躍するだろう鳥、烏。烏に関する書物の極めつけは個人的に本書。ボクの中で詩をひらいてくれた。まぶたの裏に浮かびあがる月の背後の昏がりのような、冬の窓をぬらすつめたい霧のような手ざわりは、またとない。短編は図書室の定番恐怖小説として、これからも子どもたちを震えあがらせるのだろうが、ポーの哀しい望みはやはり詩となって、永遠の花嫁を迎えいれる為の鎮魂歌がふさわしい。いのちを削る、という表現がぴたり。妖しいほどに儚く、またとない2018/03/20

Tonex

27
ナボコフの小説『ロリータ』の元ネタになった「アナベル・リイ」のみ。▼やはり外国の詩は苦手。意味がわからない。ネットで調べたら、もっとわかりやすい翻訳や解説がたくさん見つかった。▼カバーイラストが不気味。ただでさえポーの顔って怖いのに。2016/02/13

いりあ

27
名探偵デュパンが活躍する"モルグ街の殺人"やゴシック小説を代表する"アッシャー家の崩壊"で知られるEdgar Allan Poeは詩人としても有名です。本書には、"大鴉"、"幽霊宮殿"や"アナベル・リー"など代表的な詩作を収録しています。けっこう難解なのですが、ゴシックな雰囲気を味わいたいのであれば、ポーの詩は最適です。詩集"悪の華"を書いたボードレールらフランスの詩人にも大きな影響を与えたといいます。できれば、"構成の原理"などの詩論と一緒に読むと理解が深くなるかと思います。2015/11/13

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