新潮文庫<br> ヒコベエ

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新潮文庫
ヒコベエ

  • 著者名:藤原正彦【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2016/06発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101248134

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内容説明

満州で戦禍に巻きこまれ、命からがら日本へ引き揚げてきたヒコベエ一家は、信州諏訪に身を寄せる。なだらかな稜線を描く山や緑深い自然に囲まれ、ヒコベエは腕白坊主に成長する。やがて一家に訪れた転機。母の小説がベストセラーになり、父も作家の道を歩み始め……。貧しくとも家族は支え合い励まし合って暮していた。日本そして日本人が懸命に生きた昭和20年代を描く自伝的長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

48
新田次郎、藤原ていという作家夫妻の二男として生まれた「ヒコベエ」少年の自伝的小説。「流れる星は生きている」の決死の38度線を越え、命からがらたどり着いた信州の父の実家。貧しくても愛情あふれる一家の姿、腕白で正義感にあふれ、算数が得意なヒコベエの魅力がいっぱいの本。読みやすいのであっという間に読了。お勧めします。2014/05/06

五月雨みどり

15
母・藤原てい『流れる星は生きている』に感銘を受けたばかりだが,母から横抱きにされて喘ぎ喘ぎ河をいくつも渡ったあの2歳児の正彦(ヒコベエ)が,満州を逃れて両親の故郷・長野へ帰り着けてから小学校卒業までの,日本の貧しくとも朗らかな昭和二十年代を子供の視点で描いた作品と聞き,手に取った。子供ながら,なかなかに利発で逞しい著者である。きっとあの頃の日本には,こんな子や人々がたくさんいて,明日を信じて生きていたから,見事に復興を遂げられたのだろう。コロナなんて軽い軽い,みんなあの1945年から立ち上がったのだもの。2020/06/07

いちの

8
小川洋子著「博士の愛した数式」の解説を藤原正彦さんが書かれていて、その筆力と垣間見える人柄の良さに興味を持ち読んでみた、ガキ大将ヒコベエ(=著者)の自伝的小説。死と隣り合わせの満州引き上げや困窮を極めた生活など緊張感がある一方、友だちや周りの大人とのやり取りはクスッと笑える場面も多く楽しめました。ヒコベエの利発さがまた面白い。次はお母様が書かれた「流れる星は生きている」を読まないと!こうやって興味が広がっていくのが読書の楽しみの一つですよね。 本書の解説を小川洋子さんが書かれていて嬉しかったです。2021/06/10

mayumi

8
藤原正彦の自伝的小説。私はこの人のエッセイとか軽妙で大好きなんですが、小説も貧しくてもカラッと明るいヒコベエの魅力が満載でした。父・新田次郎、母・藤原ていという、二大作家を両親に持ち、自らは数学者の道を選んだ作者ですが、決してインテリな家庭ではなく、むしろ自由闊達で清々しい。楽しめました。2014/06/12

ろこぽん

7
一番甘そうなイチジクを母の枕元に置き「食べる前に踏んづけちゃダメだよ」のところで「流れる星は生きている」のさまざまな場面がフラッシュバックして、じーーんとなりました。のちのち立派な数学者になると知っていても、「えらいぞ、ヒコベエ!こりゃ将来が楽しみだわ。」というとても楽しい気持ちになります。新田次郎さんは文句なしに大好きな作家さんですが、ここのところ新田次郎さんの家族、藤原一族にもどっぷり浸かってます。藤原家おもしろいわ~!2021/06/02

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