内容説明
歴史の核心は、「格差」と「序列」でつかめる──。日本史の流れを学び、時代ごとの特徴を知ろうとするとき、国家と社会の本質が、必ずそこに表れているからだ。古代の王朝でも、中世の幕府でも、二つのキーワードから歴史上の組織を捉え直せば、日本史の基本構造は手に取るように見えてくる。初学者から学び直しの教養人まで、歴史の見方を転換させる充実の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
85
歴史の核心に触れたような気がします。歴史をたどっていくと、いつの時代も地位の壁があり、それが歴史の原動力となっていたことがよくわかりました。「格差」と「序列」が国家と社会の本質にあることが歴史の基本だったのですね。この2つのキーワードを抑えるだけで見えてくるものがあると感じました。今でこそ「格差」や「序列」は撤廃されたものの、まだその片鱗は残っているように思えます。2016/11/24
佐島楓
55
古代から現代にいたるまでの支配機構を詳しく考察している。通史の復習になった。2016/08/09
もりのくまお
55
難易度は中学の教科書以上、高校の教科書未満ぐらいの内容。官位や役職が詳細に取り上げられていますが、個々の部分は読み飛ばしても問題ないかと思います。大まかな歴史の流れを掴むのがベター。格差や序列は、動乱により流動して、安定により固定化する。格差が解消に動くのは、下剋上のように序列の下位側からの動きによる。格差を無くそうという動きがありますが、現在のシステムを変えた瞬間から別の格差や序列が生まれ、格差を完全に無くすことは無理なような気がします。仮にできたとしても、その瞬間に人類の歴史は止まるような気が。2016/07/06
もりやまたけよし
39
奈良時代に律令国家が定めた位階と官職が平安時代以降変遷してきた様子が解説されています。出世欲は人間の欲望の大きなものですので、それを満たす序列の仕組みは社会に不可欠かもしれません。2019/11/02
リキヨシオ
34
日本史の流れの本質は「格差」と「序列」にある!鎌倉幕府や室町幕府に江戸幕府など、新たな政権や組織の誕生により新たな序列が生まれて新たな格差が生じる。古代に始まり中世から近代まで、時代の変化により政権は変わってきたけど組織における格差と序列は必ず存在した。政権が安定すれば血筋による格差と序列が生じて戦国時代などの混乱期になると実力主義になってくる。日本の歴史で生じてきた格差と序列を考えると現在の日本の格差は格差に当たらないのではと思う。日本の歴史を担ってきた幕府や朝廷など組織の構造はすごく勉強になった!2016/12/08
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