内容説明
金になることなら何にでも手を出し、数億の財産を貯め込んだ矢坂。彼が死病に倒れたとき、財産を狙う者が次々と病室を訪れる。矢坂の隠し金はどこにある?
著者会心のピカレスク・ロマン!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
39
お金をめぐって、悪い人達がしのぎを削るお話です。ある運命の1日の出来事が、登場人物のそれぞれの目線で描かれていますが、言い回しが異なると、その場の雰囲気までずいぶん違って見えるのが面白いですね。著者の人気シリーズの『侠飯』や『Iターン』と比べると、アウトローの色が濃い作品でしたが、サクッと読めて面白かったです。実話が作品のきっかけになっているようで、ちょっと怖いですが興味深いです。2021/10/19
いしかわ
20
慣れない任侠言葉が読みにくかった。初読みの作家さんだけど、男臭くて私好みではない。読み終えるのに時間がかかってしまった。どっちかっていうと大金をいきなり手にしたあの人のこれからの生活が気になる。2016/06/18
はじめさん
15
10日で5割の暴利を貪る50歳壮年闇金屋が因果か死病に蝕まれて入院。余命幾ばくもないが、彼にはン億も現金で貯め込んだマネーがあった。かつて関係があったヤクザや情婦などが、その遺産を巡って暗躍をはじめるが、闇金屋は誰にも金は渡さないと宣言し、ワンピースばりに見つけ出せた者こそが取得者とうそぶく。金を欲しがる手合はたいてい金に困っているのが世の常。社会の底辺たちによる、マネー争奪戦開幕。/ 連作短編で、話ごとに視点人物が変わるため、同じ場面がコピペされる部分も多々。ガチ侠飯オムライス。ケチャップか鮮血か。(H2016/07/24
petitlyz
12
Kindle unlimitedで読んだ。月刊誌に連載された連作短編だけど、ひとつのストーリー。矢板という男性がすい臓がん末期で入院している。もう長くなさそう。この男性はヤクザモドキで、億単位の金を銀行にも預金せずに隠している。他の登場人物もほぼヤクザで、矢板の金だけを狙っている。矢板は誰にも心動かされないが、入院中の女子大生瑞希とたわいない会話を楽しんでいる。なぜ?と思ったが、最後まで読んだら、多分これで良かったんだろうなと思った。2024/02/24
NAOAMI
11
余命僅かの矢坂が闇金やらでため込んだ億単位の金は誰の手に。組織に属さないアウトローの彼の元には遺産目当ての奴らが群がる。それを一日舞台の中、各章ごとに視点を変えて描く。各自の思惑が別々の章立ての中から見えてくる。矢坂の遺産は死に金になろうとしているのか。組織の掟に窮する奴らが手にしても死に金に変わりないと嘯く矢坂の意図が明確になると、少しホッとするラストが見えてくる。どうにもならない負のスパイラルに喘ぐ人の性を描き、浮き彫りとなった現代の冷たさが身に沁みる。ほとんど寝たきりのヒーロー矢坂の孤独は格好イイ。2016/10/13
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