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内容説明
寿命60年説を覆し、いまなお咲き誇る弘前公園の染井吉野、3代の桜守が継いできた祇園の枝垂れ桜、その土地を見守ってきた伝説の一本桜など、桜好きのすべての日本人に贈る決定版。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
19
怒涛の蘊蓄本。笹部新太郎や佐野藤右衛門といった桜守のエピソードや、桜の分類、育成方法の図解などが入り混じる前半は、NHKのドキュメントにEテレの教養番組と放送大学をかけあわせたようで、ややカオスな、妙な面白さがある。後半になると情報の羅列の感が強くなり失速したように思えたが、それを差し引いても面白く読めた。ただしAmazonレビューなどを見るに、世間の評価は芳しくないらしい。蘊蓄は蘊蓄でも、タモリ倶楽部的なツッコミ待ち暴走要素でもあれば、もうちょっと受けがよかったのかもしれない。さて今年はどこへ行こうか。2023/02/16
Miki
8
言わば桜辞典。桜の歴史、手入れのむずかしさ、樹木医や桜守の現状から日本各地の桜の名所ガイドまで。ソメイヨシノが以外に短命であること、実生では育たず接ぎ木によるクローン増殖しかないこと、由緒ある桜や桜の名所での保護のためのボランティアや自治団体の陰ながらの努力など、知らないことがたくさんあって、桜の季節の前に読めてよかった。訪れてみたい桜の名所が増えた。荘川村の御母衣ダムに沈む江戸彼岸桜の移植を奇蹟的に成功に導いた笹部新太郎をモデルにした小説も読んでみたい。→水上勉『櫻守』2013/02/17
K
2
(2010,479.75)いろいろな名物・名所の桜の中に、福島県三春町の滝桜も詳しく書いてあります。どんなにみなが守り育ててきたかを。これは震災直前の本ですが、震災後、滝桜はなんと県民に力を与えたことかと、当時を思い出しました。今年は見られなかった桜が全国各地たくさんあるけれど、きっと次の春まで待っていてくれると思えました。人間がこんなに丹精込めて見守ってきたんだからね。次の春は、収束しているかなあ・・。2020/05/16
amabiko
1
3年前の刊行時に求めたが、季節を逃したため、ようやく今年の桜シーズンに読了。4部構成で、1と2は読み応えがあったものの、3一本桜伝説と4日本一の名所は少し詳しめのガイドみたい。毎年何気なく見ている桜は、とても手のかかる花で、多くの人たちの知恵と多額の税金が投入されていることを知って驚く。でも、これだけ日本人の心を動かす花なんだから、多少のお金はしょうがない。弘前公園で花見がしてみたい。2012/04/16
やえ
1
様々な観点で考える「日本一」の桜。地域の桜守ネットワークの形成、各地の古木、名桜、永遠に生かすことも可能な桜の構造。 カラー写真は扉絵8ページ。面白かった。2011/03/26