講談社文庫<br> 三年坂 火の夢

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講談社文庫
三年坂 火の夢

  • 著者名:早瀬乱【著】
  • 価格 ¥796(本体¥724)
  • 講談社(2016/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062764421

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内容説明

「三年坂で転んでね」――帝大生の兄が怪死する直前に残した言葉を手掛かりに、東京の坂を巡る実之。その東京では、大火の度に放火魔とおぼしき人力俥夫の姿が目撃されていた。“転ぶと3年以内に死ぬ”という禍々しい言い伝えと、近代東京の命運を揺るがす謎に、高嶋鍍金が挑む!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

53
明治の東京の街の変遷と受験生が、優秀な兄の突然の死の真相を探るミステリーを融合させた物語。兄の死をめぐるミステリーより、古い地図を頼りに「三年坂」を辿る部分が初期のブラタモリ風で楽しい。2020/09/15

takaC

53
井上夢人選評の「しかし、この作品の面白さは、あまりに題材自体のものでありすぎた。小説が生み出す面白さではないのだ。」が実に的確。他の選考委員(綾辻行人・大沢在昌・真保裕一・乃南アサ)も決して褒めてはいないゾ。2013/10/08

hit4papa

45
帝大生の兄の不審死を探るべく上京した主人公。「三年坂で転んだ」という言葉をヒントに、彼は明治の東京の坂道を訪ねて歩く。自身も受験生でありながら、行方不明の父親との関連を知り、探索にのめり込んで行く…というミステリ。並行して語られるのは、東京を火の海に陥れる陰謀論を調査する英語講師の姿。大火の度に目撃される人力車との関連を探ります。二つの物語がラストに一つに結びつくのは当たり前ですが、そういう展開か!と唸ってしまいます。著者の地理、歴史の造詣の深さが窺えます。知的好奇心を刺激してくれる作品です。【乱歩賞】2025/01/22

siro

39
坂をひたすら探す部分で挫けそうになりました。東京の地理に明るい人なら楽しめるのでしょうか?二つのパートの重なり合う所まで随分待たされたかと思うとぽんっと解決してしまい置いてきぼり感。鍍金先生のキャラは好きでした。2014/09/28

パトラッシュ

20
歴史ミステリーとしては秀逸な作品。明治の東京を舞台に兄の死にまつわる転ぶと死ぬ三年坂と呼ばれる伝説の坂道を調べる少年と、火災が起きれば東京が焼き尽くされるとされる「発火点」の謎を追う高等遊民の動きを交互に描きつつ都市生成に隠された秘密をも解明するストーリー展開が巧みだ。伝奇的なアイデアで読者の関心を摑むだけでなく、一高受験を控えながら東京中を歩き回る少年を描くことで漱石の『三四郎』より8年早い青春小説仕立てにした点も面白い。ただ事件の黒幕の犯行方法や動機が粗雑で、探偵役も魅力的とは言い難いのが惜しかった。2020/05/21

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