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内容説明
マルクスは人間や社会や歴史をどうとらえ、『資本論』で何を語り、近代資本主義の未来をどのように予見したのか? 今やマルクス主義は本当にもう無効になってしまったのだろうか? 20世紀世界の根幹的思想を、独自の視点と平明な言葉で掘り返し、脱近代への発展的継承を試みる。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
マルクスの思想を中心に論じていて向坂先生や宇野先生の経済学的な論じるテントはかなり異なり、哲学入門的な位置づけなのでしょう。廣松先生というと私が学生のころにはかなり心酔している友人たちもいました。私は資本主義的な方向性にはあまり納得しませんが根本的な考え方は結構参考になると思いました。2016/02/13
ころこ
40
マルクスの本としても、廣松の本としても認知されている本。口語体で書かれ、一見読み易そうだが、全く読み進められなかった。後半に共産主義になった社会が描かれているが、その貧弱さに驚く。恐らくこれは資本主義の問題ではない。近代の問題の捉え損ないだと思う。近代意識は個人を生み、そこから発生する問題を科学的に捉えようとする。定量的に補足できるのは貨幣量だから、経済の問題だとするしかなかったのではないだろうか。廣松に興味があればまだしも、マルクスの本としてはお薦めできない。2023/04/02
SOHSA
33
《購入本》『哲学入門一歩前』に続き、廣松渉著作を読了。『資本論』の主旨を中心にマルクスの思想を分かりやすく解説してくれている。ソ連や東欧共産圏諸国の崩壊とともに「過去の遺物」感の強くなったマルクス思想ではあるが、やはり近代思想の中で果たした役割は大きい。本書では「マルクスの開いた新しい世界観」「『資本論』で言いたかったこと」「資本主義の命運と共産主義革命」の3つの章に分けて解説されているが、マルクスの世界観を踏まえて資本論に触れると今まで理解不能だった点がぼんやりながら分かるような気になってくる。(→)2016/07/28
Nobuko Hashimoto
29
輪読ゼミで佐藤優『私のマルクス』を読んだのだが、学生からすると佐藤氏とは丸一世代違うので、大学の様子や関心の対象がずいぶん違い、新鮮だったよう。ただマルクスに関して学べる本ではないので、佐藤氏がたくさん言及している廣松氏が書いた「エッセンス」である本書なら補足に読むのに良さそうかなと期待したのだが、平易なようでそうでもなかった。一章を耐えれば、二章以降は比較的読みやすくなっていくが。丁寧な言葉づかいと、素人にわかるように説明する言葉づかいは別物だなとあらためて感じた次第。2019/11/07
金吾
28
平易な文章でわかりにくい話を書いているという印象です。特に第2章「資本論で言いたかったこと」は理解しきれなかったです。しかし第3章「資本主義の命運と共産主義革命」は親派の考え方、アプローチがよく伝わり面白かったです。経済で劣るソ連が軍事的に西側と均衡を取れている理由はかなり印象的でした。2025/04/22
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