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内容説明
国際政治を理解するための新しい入門書。パレスチナ問題、産油国の隆盛、イランのゆくえ、イスラーム主義、ネットメディアの影響。ニュースでも理解しにくい中東情勢にかかわる問題を国際政治と現代史の視点から読み解く。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
67
中東入門に最適。そして何度でも読める。冷戦の章は色々な国が時系列バラバラで出てくるので少し読みにくかったが、流れとしては理路整然としていてよかった。中東関連の本を読めば読むほど頭の中は複雑になっていくが、それぞれの原因(対立の原因)は難しくなかったりする。“今まで持っていたような”中東への偏見は無くなったに等しい。読書をすることで「知らなかった」が「知っている」に変わる、その素晴らしさを本書を通して学ぶことが出来た。2020/03/06
MILKy
13
2010と少し前のものを今の情勢を理解したく手に取る。昔のことが書いてある本は古くとも学びになる。ただ、焦点の当たる国や地域が今や別方向を向いている、みたいなことがあっても気づかなかったりしそうではあるけど😅先日読んだパレスチナ紛争史より分かりよい気がした。敵と見えたアメリカとの関わり合いは中東を語るうえで外せない。。序章の世界史話はやはり眠くなる😴2章がパレスチナ。70年代(オイルショック頃?)の日本の慌てたアラブ外交ならぬアブラ外交😅また必ずしもアラブ人=イスラム教徒というわけではない。2023/11/06
新田新一
12
現在のパレスチナの悲惨な状態を知って、参考になるのではと思い読んでみました。結論から言えば、中東の複雑な歴史がスムーズに理解できる良書です。アラブ諸国とイスラエルが何故うまくいかないかよく分かりました。イスラエルができる前に、この地域の多くのユダヤ人は、ユダヤ教の信者として認められ、各地で普通に暮らしていました。それなのに強引にイスラエルが作られて、そこで暮らしていた人たちは自分の故郷を追われることになります。これではアラブの人達と衝突が起こるのは無理もありません。この事実を知ることができて良かったです。2023/10/14
くろほ
12
講義の参考文献だったので。この本を読んでいる最中にビンラディン殺害のニュースを知って驚いた。まさに日々刻々と変化する中東情勢を理解しようとしたとき、歴史や文化的背景を知らないとどうしようもない。そういうものをとてもわかりやすく書いてくれてました。と言いつつ、一度読んだだけではまだ全然理解しきれてないですが。2011/05/09
Ryo Hirao
10
日本に住む多くの人々にとってはテレビの中の存在でしかない「中東」。その言葉はほとんどいつも問題とセットで現れ、それがまた「われわれ」の中から中東という地域が遠ざかっていくのをさらに加速させる。その中東とは実際どのようなものなのか。今、何が問題とされているのか。それらを「中東」の用語の誕生から、パレスチナ、冷戦、イスラーム主義を軸において扱う。かなり駆け足な内容ではあるが、中東政治の専門家ならではの新聞やニュースでは見ることのできない話の重心の移動と問題意識は、中東とそこに重なるイスラームを知る上では必読。2015/05/22