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内容説明
国際政治を理解するための新しい入門書。パレスチナ問題、産油国の隆盛、イランのゆくえ、イスラーム主義、ネットメディアの影響。ニュースでも理解しにくい中東情勢にかかわる問題を国際政治と現代史の視点から読み解く。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
69
中東入門に最適。そして何度でも読める。冷戦の章は色々な国が時系列バラバラで出てくるので少し読みにくかったが、流れとしては理路整然としていてよかった。中東関連の本を読めば読むほど頭の中は複雑になっていくが、それぞれの原因(対立の原因)は難しくなかったりする。“今まで持っていたような”中東への偏見は無くなったに等しい。読書をすることで「知らなかった」が「知っている」に変わる、その素晴らしさを本書を通して学ぶことが出来た。2020/03/06
TS10
15
中東の国際政治を歴史を中心に紹介する入門書。平易な語り口ながら充実した内容で、非常に勉強になった。とりわけ、イスラエルとペルシア湾岸の王政諸国の成り立ちに近代西洋のナショナリズムや帝国主義が深く関わっていたことには驚かされた。総じて、古くはオスマン帝国や大英帝国、現代ではソ連やアメリカなどの大国の影響と、アラブ民族主義やイスラーム主義に代表される地域内のイデオロギーに翻弄され続けた中東の姿が印象に残った。2025/04/17
MILKy
14
2010と少し前のものを今の情勢を理解したく手に取る。昔のことが書いてある本は古くとも学びになる。ただ、焦点の当たる国や地域が今や別方向を向いている、みたいなことがあっても気づかなかったりしそうではあるけど😅先日読んだパレスチナ紛争史より分かりよい気がした。敵と見えたアメリカとの関わり合いは中東を語るうえで外せない。。序章の世界史話はやはり眠くなる😴2章がパレスチナ。70年代(オイルショック頃?)の日本の慌てたアラブ外交ならぬアブラ外交😅また必ずしもアラブ人=イスラム教徒というわけではない。2023/11/06
Arisaku_0225
13
購入してからだいぶ経ってたが,読み時は今しかない!とついに読み始めたら,案外面白くてするすると読み終えてしまった.「中東」と聞くと,イスラム教以外には砂漠と火薬のスメルがする印象しかなかったし,なぜ欧米諸国やイスラエルに敵愾心をもつのかも単純に帝国主義の残り火のようなものとだけしか理解できていなかったが,湾岸戦争での多国籍軍の残酷さ,欧米による内政干渉という政治的な要因や,文化浸食ともいうべき欧米化へのアンチテーゼという向きもまたある→2024/04/26
新田新一
13
現在のパレスチナの悲惨な状態を知って、参考になるのではと思い読んでみました。結論から言えば、中東の複雑な歴史がスムーズに理解できる良書です。アラブ諸国とイスラエルが何故うまくいかないかよく分かりました。イスラエルができる前に、この地域の多くのユダヤ人は、ユダヤ教の信者として認められ、各地で普通に暮らしていました。それなのに強引にイスラエルが作られて、そこで暮らしていた人たちは自分の故郷を追われることになります。これではアラブの人達と衝突が起こるのは無理もありません。この事実を知ることができて良かったです。2023/10/14