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内容説明
無実の者が、ある日突然に「犯人」にされる。警察はなぜ「犯人」を作り出すのか。裁判官はなぜウソを見抜けないのか。見込み捜査、別件逮捕、代用監獄から、裁判官への統制、弁護人の無力化まで、今も冤罪を生み続けている日本の刑事司法の構造的欠陥をえぐる。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
188
本当に冤罪がないように細心の注意を払って欲しいな。2020/08/30
James Hayashi
26
東北大名誉教授、刑事訴訟法、93年著。 捜査の強引さが見れる。絶対的証拠に欠け、総合的に見てもあやふやでありながら逮捕に踏み切り、後は強要し自白を引き出している。裁判でも検察に信頼を置いているためか、裁判官の追及は弱く、自白を重く見ている。冤罪無罪であってもほとんど国家賠償訴訟に応じられることはないことを知る。村木厚子さんの場合のように意図的なものは認められているが、村木さんの場合、休職扱い時の給与請求を行ったと見られ、慰謝料は棄却された模様。あくまで「疑われ損」以外何物でもない。2020/03/24
むつこ
23
いろいろな警察小説を読んでいるが、実際に「冤罪」を作り出しているのは警察で、めったにないことだと思っていた。たくさんの人の時間が奪われるのだから減ることを祈ります。2022/07/31
テツ
23
今日、袴田事件が最高裁で差し戻しとなり審理のやり直しを命じられた。冤罪って過去のものでもなければ、自分と無関係なことでもない。ほぼ全ての警察官や刑事の方は真面目に職務に取り組んでいるのだろうけれど、やはり組織はメンツや内部に渦巻く力関係により暴走してしまうものだし、それを防ぐ力って組織の内部からはなかなか生まれてこない。取り調べの可視化は早急に実現しなければならない。物的な証拠がなく疑わしいというだけの人間を犯人に仕立て上げてはならない。絶対に。いつ自分がこうされるのかわからないもんな。2020/12/23
yuki
3
図書館で何気なく借りてきて読みました。…冤罪なんて関係ないと思っていたのですが、「人間は肉体的、精神的に痛めつかられなければ本当のことをいわない」のではなく「人間は…痛めつけられると、自己を破滅に追いやりかねない嘘でもいうのだ」ということに恐ろしさを感じました。2018/10/08