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内容説明
「性」のありようから江戸時代を読みかえる。「肌をゆるす」とはどういうことだったのか。猥談の効用、高貴な人々の性、男同士の絆、恋と色のゆくえ。史料を自在に繙き、「性」の営みから語る江戸の精神史。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
先に読んだ『武士道とエロス』は男色中心に考察されていたが、本書はそれ以外の様々な事柄、幅広い内容となっている。武士の一般家庭で語られる猥談から始まり、貴種とエロティシズム、春画、薬としての男女の下着、男色、不倫と痴漢。大体全ては現在と共通する語が多いのだが、その意味するところが違うのが本書を読んで良くわかる。下着とかがエロスとは違う意味を持っているし。現在では性は隠すものを通り越して憎む者もいるが、当時はそれが生活と直結していて、今よりそれに対しておおらかで懐が広かった。読んでいてそんな印象を受けました。2024/08/21
キムチ
44
表題からすると露骨な風俗の本を想定してしまうが、なかなか真摯な解説が面白かった。貝原益軒な結構、熱心に周囲に説いたり、書物でも日々の性生活の効用を説いていたらしいのは想像できる。北斎、写楽、歌麿等は春画で専ら生活を営んでいたのも有名。その流れ~性行為を刷り画で解説し、それを手本にして行為を行った男女が関節外れの偉い事になったネタも載っている。今のようにネットどころか写真、Tv画像のなかった時代、想像を逞しくさせる知恵がおおらかな感覚で共有されていた温度が彷彿とする。2012/09/13
fseigojp
21
この著者の作品にはずれなし2017/05/21
鱒子
20
図書館本。面白かった。ムスメに「こんなタイトルの本借りて恥ずかしくないと!?」と言われましたが、ちっっとも恥ずかしくないです、ハイ 。面白かったのですが、難を言えば、江戸時代のご家庭の資料が少ないかなー。「川路家」以外の埋もれた資料があれば、もっと読みたいですねー。男色の話も面白かった! 男尊女卑の不自由の中で花開いた江戸文化。西洋文化に押された明治から続く現代は、男女平等でありつつも、あらたなステージに移行している気がします。しかしそれは、じつは温故知新!?2016/07/12
ATS
9
★★★学者さんだけあって、大量の史料をもとに書かれていて非常に勉強になった。個人的にはなんとなく読みにくい文章なのだけど、それを差し引いても面白く読めた。とくに言葉の変遷。痴漢とか不倫、密通、肌を合わせるといったもともと?の意味合いなどについてはなかなか興味深かった。先日読んだ『小説の言葉尻をとらえてみた』にも安易に誤用とは言えないよみたいなことが書かれていたが、言葉の変遷を思えばそれもそうだなぁと。心中への民衆の過剰な興味もすごい。当時の人たちにとっては心中も立派な娯楽だったのかもなぁ。2018/09/23
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