内容説明
勝新太郎主演で話題を呼んだ痛快な兵隊物語――ビンタも、階級も、軍律も通じない一等兵・大宮貴三郎が、満州の荒野にくりひろげるユニークで、無頼の軍隊生活。戦争にゆがめられながらも、なお人間性を失わない人々の姿を活写する。三年有余にわたる直木賞作家みずからの軍隊体験に裏打ちされた感動の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kayak-gohan
19
『兵隊やくざ 戦中編』で読んだが今は絶版、現在は『兵隊やくざ 貴三郎一代』と改題新版で書籍登録されている。70歳代前後の方なら本作の題名を聞いて、勝新太郎と田村高廣のコンビとなって共演した映画を思い出される方もおられるのではないかと思う。モノクロ作品だが、私が小学生くらいの頃はテレビでもしょっちゅう放映されていた。型破りで大胆不敵な香具師あがりの初年兵・大宮貴三郎と大学中退のインテリで用意周到かつ緻密な上等兵の「私」の二人組が知恵と力を尽くして、不条理な戦場(中国東北部)の軍隊組織を生き抜いていく。2022/08/21
櫻井愛
5
勝新さんの映画、というぼんやりとしたイメージだけだったんだけど、前に著者(有馬の殿様)の小説を読んでいたのでチャレンジしてみた📕。インテリ上等兵の「私」と一等兵大宮のコンビが主軸で面白かった!妓女との話は苦手だけど、兵隊の日常と大宮の破天荒が地続きで、人情もの(浪花節)っぷりが良かった。太平洋戦争の初め、まだのんびりとした感じがあるが、本の終盤に「私」たち四年兵の満期除隊が延期になったり、新設部隊の南進などきな臭くなっていく。2025/03/10
taro
4
北満の孫呉の冬の厳しさ、吹雪になり主人公が体を飛ばされた。夏はハエ、虱、ノミ、南京虫との戦い。ごはんが黒く見える程のハエ。制裁、ビンタの横行は他の兵隊小説と同じ。ヤクザの貴三郎も例外ではない。自殺者もたくさんいたのだろうな。炊事係が恐れられていたのは他の小説でもみたような気がする。現代風に言えばストレスだらけの軍隊生活、ピー屋で女と楽しむのが発散だった。それにしても貴三郎はケンカに強く痛快だった。2016/10/02
高木正雄
3
勝新太郎のイメージが強い作品。映画にも同じようなシーンが出てくる箇所があるが小説のほうには音丸はあまり登場しない。最初の「私」に制裁されたことを証明するために大宮が自分を傷つけるところがぐっときた。班長も協力的2025/07/24
nori
3
Pinanood muli ang pelikula. Sana remake yung title kasalukuyang technolohia, kahit marami ang hindi-ankop na ekspresyon sa salita at eksena. Mabilis ang paraan kung ano ang loko ng gyera para sa kasalukuyang Japanese.2025/04/20