内容説明
女渡世人おまさは宿場の旅籠(はたご)で親子三人連れと同宿し、娘のお玉に懐かれる。その夜、何者かが来襲しお玉の両親が殺害された。危うく難を逃れたお玉は不相応な小判を所持していた。宿帳に記された江戸の住処までお玉を送り届けることになったおまさ。追手が再びお玉を襲うが、偶然、九十九九十郎(つくもくじゅうろう)が窮地を救う。九十郎も内済ごとの絡みからおまさを捜していたのだ……長篇時代剣戟。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
114
仕舞屋侍「青紬の女」3巻。九十九九十郎さん今回も落とし所が良かったですね、超派手な剣戟シーンは無いが張り詰めた緊張感とホットする処が繰り返され楽しく読めますね。2016/07/23
のびすけ
33
「青紬のおまさ」と呼ばれる壺ふりの女渡世人おまさ。青梅の宿で居合わせた親子三人連れが賊に襲われ、おまさは殺された夫婦からお玉のことを託される。悲しい過去を持つおまさと両親を失ったお玉。この二人の関係がなんとも切ない。九十郎の仕事ぶりも鮮やかだったが、なによりおまさとお玉の物語が深く心に響いた。拐われたお玉を取り戻したあとの二人の言葉「お玉、絶対手を放しちゃいけないよ。ずっと一緒だからね」「うん、ずっと一緒にいてね」。もうここで涙涙。二人が離れることなく幸せでいることを願わずにはいられない。感動しました!2021/02/11
onasu
30
甲州裏街道(この名称!)青梅宿で両親を殺された娘を、同宿の女渡世人青紬のおまさが江戸まで連れてくる。それと九十九九十郎が知己から頼まれた事案とが結びつき…。 一見関係のなさそうな事柄が関連してくるのは、本作に限らぬ定番だが、ここではもう一件おまけのような下世話な「仕舞屋」事案も絡めてもみ消しを図る。 シリーズも三作目で、読み始めは設定を忘れていたが、ふじ湯の二階でのやり取りからのってきた。お七目当てに日参していた甥っ子(?)が出てこなかったのは残念だが、本作もストーリーと共に剣劇も楽しめる作品でした。2016/07/18
ベルるるる
26
小太刀の名手の武家娘の「結木雅」が今は女渡世人の「青紬のおまさ」に。仕舞屋として、おまさと結木家をつなぐ九十郎。2019/05/13
ぶんぶん
8
【図書館】 幼児の手を引いて、傍らに立つ女渡世人は青紬の着物を着ていた。 何か訳ありの様子であった、その雰囲気からは只ならぬ気配がした。 一方、秋田犬の暴走で三人の子供が怪我を負った、その掛け合いで九十郎は動いていた。 九十郎と青紬の女・おまさが出会う時、事態は風雲急を告げる。 武家の娘から女渡世人になった雅の心情が痛い、仕舞屋侍第三弾!2016/09/03