内容説明
表沙汰にできない揉め事の内済を生業(なりわい)にする九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。元御小人目付(おこびとめつけ)で剣の達人でもある。若い旗本、大城鏡之助が御家人の女房を寝取り、訴えられていた。交渉は難航したが、九十郎の誠意あるとりなしで和解が成立した。だが鏡之助は九十郎への手間賃を払おうとしない。数日後、牛込の藪下で鏡之助の死体が発見された。御家人とともに九十郎にも嫌疑がかかり……。書下し長篇剣戟小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
112
仕舞屋侍「狼」2巻。事件のもみ消しを終えてもあえて事件の真相を突き止めようとする九十九九十郎さん良いですね、また老眼をかけての立ち回りもなかなかユニークです。2015/08/03
onasu
31
もめ事を内々で済ます仲介をする仕舞屋二作目。この度は人妻との関係が露顕したという、見目だけはいい旗本の部屋住みからの依頼。 九十郎の斡旋で、相手の御家人とは話しがついたという夜、件の旗本が殺され、その御家人が下手人として捕られる。九十郎は冤罪を晴らすため動くが、手間賃は後日だったため、ただ働きに。 前作と同様な作りだが、こちらは一見関係のない二件の殺人が、初っ端のつまらない不倫話しを脇に押し退ける。 にしても傍目からは解せないのが、件の御家人夫婦。描かれてはないが、とりあえずは元鞘なんだろうな。2016/02/23
ベルるるる
27
九十郎が理屈を言い過ぎ。お七の登場がもっと多いといいけど。可愛いお七に救われてる物語^^2019/05/09
のびすけ
26
九十九九十郎の今回の仕事は、若いトンチキ旗本の不義密通の揉み消し。揉み消しの交渉は成立するものの、依頼人のトンチキが殺される事件が起こる。事件を探るうち、両替商の番頭欣次の存在が浮かび上がる。欣次のいきさつとお杵の境遇が痛ましく、九十郎が事件をどのように決着させるのかヒヤヒヤした。お七の作る料理は相変わらず食欲をそそる。膳に彩りを添えるお七の笑み。九十郎が羨ましい!2020/12/15
ぶんぶん
12
【図書館】 御家人の女房が寝取られた、交渉はすんなり行った、後は手間賃を貰うだけ。 ところが、相手の旗本が殺されてしまう。 相手の御家人と共に九十郎にも嫌疑がかかる、調べる内に更なる殺人事件が…今回の九十郎の決着の仕方が腑に落ちない、もうちょっと綺麗な納め方があった様に思います。 ともあれ、仕舞屋侍・第二弾 好調な滑り出しです。 ますます老けて来たな(笑)2015/10/15