内容説明
1952年、独裁政権下のバルセロナ。上流階級の未亡人が扼殺され、新人記者のアナが独占報道の担当に抜擢された。警察は強盗殺人として早期解決させようとするが、納得できない彼女は被害者宅から押収された書類を調べ、恋文を発見する。差出人がわからなかったが思わぬ援軍を得る。はとこの文献学者ベアトリズは、文章の綴り方、言い回し、形容詞等からその手紙を書いた人物像を巧みに導き出し、驚くべき手がかりを見つけ出してみせた。言語と文学をこよなく愛する文献学者と猪突猛進の新人記者、姉妹のようなふたりが織りなす傑作ミステリ!/解説=大矢博子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
62
表面的には地味なミステリーだった。ただ自分が読み解けない所が多く詰まっていると感じた。舞台はフランコ独裁時代のバルセロナ。一人の未亡人が殺され、そこから手紙が見つかる。記者アナとやがて登場する文献学者ベアトリズが捜査に入る。犯人探しと手紙の謎を解くのも一つの読み方だろうが、自分が解けなかったのはスペインにおけるカタルーニャ地方の地域性と、独裁政権の空気が全体を支配していた気がしたこと。これらの記述は文中にはほとんどなく何となく漂っていた。その辺が読めれば別の感じ方ができたのだろうが・・。2016/08/11
Panzer Leader
38
戦後間もないスペインで起きた上流階級の未亡人の殺人事件を巡るミステリー。とにかく新人新聞記者と文献学者の女性陣が魅力的に描かれている。抑圧された独裁政権下、女性差別や内戦時の心の傷を抱えながらも謎を追っていく二人の行動振りが小気味よい。手放しで喜べるラストではないけれど彼女たちの活躍をまた読みたいと心から思う。2017/04/21
星落秋風五丈原
38
反体制派の父を持つ娘と、自身の信条からやはり体制側には属さない彼女のはとこが名流婦人の殺人事件を捜査するうちに国家の有力者の秘密に気付く。文献から人物をプロファイリングしていく。2016/07/07
Ryuko
33
1952年フランコ政権下のバルセロナが舞台のミステリー。バルセロナには訪れたことがある。もちろんフランコ没後、民主化されたスペインだ。バルセロナオリンピックもテレビ観戦した。モンジュイックは、バルセロナの方言ではモンチュイーなのか。。言語学から事件の謎を解き明かすベアトリズがすてきだ。アナのお父さんのお話も読みたい。続刊希望。2016/08/08
Betty
32
舞台は1950年代のスペイン。その時代のスペイン描写は興味深く読みました。息苦しい政治的圧力があったのだと...医者の妻の未亡人が死体で発見され新聞記者の女性が主人公。亡くなる前の被害者は、突然若々しい服を着るようになりキラキラと明るくなる。若い男性チラつきますよねw未亡人が残した謎の男性との書簡と文献学者の登場で、先が気になり興味がつきませんでした。独特なスペインの描写が新鮮で読メ掘り出し物の一冊。2017/05/27
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