創元推理文庫<br> ゴースト≠ノイズ(リダクション)

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創元推理文庫
ゴースト≠ノイズ(リダクション)

  • 著者名:十市社【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 東京創元社(2016/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488461119

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内容説明

ぼくが1年A組の幽霊になって、一月が経過した――高校に入学したばかりのころの失敗によってクラス内で孤立し、いまでは幽霊扱いされている一居士架(いちこじかける)。惨めな日常を過ごしながらも限界を感じていた架は、十月の席替えで前の席になった玖波高町(くばたかまち)に突然話しかけられる。それは彼の苦しみに満ちた毎日に変化をもたらす、小さくも確かな予兆だった。時を同じくして、校舎の周辺では蝶結びのメッセージを残した動物の死骸が相次いで発見され、休みがちになった高町は何かに思い悩むような様子を見せはじめる……。圧倒的な筆力と繊細な技巧が紡ぎ出す、静謐な感動に満ちた青春ミステリ。/解説=大森望

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nabe

60
背面に青春小説の傑作とある。読メの感想数も少なく半信半疑だったが、見事に裏切られた。これは面白い!荒削りな設定ではありつつも推理文庫の名に恥じない真実への驚きがあり、生々しい思春期の心の動きがあり、愛情よりも友情に重きがおかれた人と人の繋がりがあり、何より、楽しくも苦々しい青春そのものがある。しばらくサボっていた俺に読メを更新しなくては、と思わせてくれたパワーもあるな(笑)2016/10/22

ユメ

45
震えるような読書体験だった。ちょっとした失敗のせいで、高校のクラス内で孤立して幽霊扱いされている一居士架。そんな彼に突然話しかけてきたクラスメイトの玖波高町。彼女が「架は生きてるんだよ」と言った瞬間、不思議なタイトルの意味に思い至って、鮮烈な感動が湧き上がった。ところが、この物語はここで終わりではない。高町が抱える秘密について、読者は架と共に不穏な想像を重ねながら、二度三度と裏切られることになる。自分が生きられる場所を求めてじたばたともがく青春の痛みと、その先に見える一条の光に心を揺さぶられるミステリ。2017/03/22

じゅんぢ

34
ミステリーを結構な数読みこんでいる人ほど騙されると思う。前半はあまり動きがなくて動きの大きいミステリーが好きな人は退屈に感じると思う。けど、ここを乗り越えるとあとはラストまで一気に物語が動き出す。久しぶりに寝食を忘れ没頭したミステリーでした。2018/09/21

オフィーリア

30
中盤までは全然話進まないなこれ…と不満でしたが、後半からの二転三転する展開に一気読みでした。爽やかな表紙に反して中々に重いストーリー。ミステリかというと少し違う気もしますが、青春小説として楽しく読めました。2018/09/30

ヤクモ

30
高校に入学したてに犯した失敗によりクラスで孤立することになり幽霊扱いされている一居士架。そんな架の前の席になった玖波高町に話しかけられ、ノイズだらけの日常に希望がもたらされる。巧みに仕掛けられたトリックによって、架の家の火事は本当に起きたのか、架は本当は幽霊なのか、休みがちな高町が隠している家庭の事情とは、高町の家で起きた火事の真相はいったい何なのか、ラストまで読者は不安に陥れられながら翻弄され続ける。そうして、ようやく辿り着いた場所で明かされる真相。お見事でした。文章も読みやすくて好みです。2017/04/02

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