内容説明
―この街に、この店に、優しい人がいる。 『マイナビeBooks大賞』&『お仕事小説コン』特別賞W受賞!
文具メーカーで事務をしている朝希は真面目に日々働いていたが、新しい課長に目の敵にされてしまう。見兼ねた先輩社員に助けられるも退職を余儀なくされた。以来、半ば引きこもりのような生活を送るが、これではマズイと兄の営む家具屋で店番を始める。接客は辛いが兄の想いの詰まった家具に囲まれる穏やかな日々が過ぎていく。ある仕事帰りの夕方、裏路地の『黒手毬珈琲館』を通りかかったとき、中に家具屋のスツールがあるのを見つける。と、ドアが開き、全身黒ずくめの店員が出てくるが、それは昼間来た客で……。
多彩なアレンジ珈琲の裏には誰かの温かな想いがある――。
心が疲れたときに効く、優しい一杯をあなたへ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ありす
39
初読み作家さん。予想外に重い内容だった。特に冒頭の会社での話は、胸がムカムカして仕方なかった。でもそれを補うかのように温かい珈琲店の存在があり、店員の青年がいる。この青年が大人びた感じがあり、20歳設定への違和感が最後まで拭えなかったのは残念。私はあまり珈琲が得意ではないが、こんな行きつけの珈琲店が欲しいなと思った。そしてそこでゆっくり読書がしたい。2018/10/23
あゆみ
26
★★☆☆☆ 陰湿な上司のいじめや高校時代での人間関係での理不尽さ、朝希自身の言動にもイライラしてしまい読後感はいまいち。人間関係に疲弊した朝希を気にかける兄や、黒手鞠珈琲館のマスターと黒塚がいい人たち。2016/06/22
なな
23
珈琲店を舞台にしたお話しが好きなので、読み始めました。ほっこりするお話しかと思いきや、暗い雰囲気がずっと流れている感じが残念でした。しかし、黒塚さんと出会い、珈琲館に通うようになってから優しい雰囲気になり、こんな喫茶店の常連になれる朝希が羨ましい限りです。珈琲を飲むのも好きなので、黒塚さんが淹れるアレンジコーヒーがとても美味しそうでした。喫茶店でゆったりと読書をしたい気分になりました。2018/11/26
空猫
22
ある意味で現実味に溢れたお話。登場人物が聖人君子か陰湿な悪魔だけの世界と考えるとリアリティなどないが,語り部の目にはそう映っていると解釈すると生々しい記述になるということ。実際,凡人の感情と思考なんてものは,この物語の主人公のように,極端から極端に走り,視座も少なく視界も狭いものなのだと思う。昨今のネットの極論・暴言の応酬に限らず,昔から揉め事やら恋愛話というのは一方の主張だけでは絶対判断はできないほど偏るもの。それは良いとして,そう思えてしまうと主人公の言を鵜呑みにできないため,共感しづらいのが惜しい。2017/04/25
coco夏ko10角
20
主人公が苦手なタイプだし文章もちょっと合わなかった。2017/07/02
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