内容説明
古代ギリシャ時代にはすでに「背徳的人間」として記録が残るパーソナリティ障害をいかに解釈するかについて、多数の学者・医者たちが研鑽を積み重ねてきた。そして、アメリカ精神医学会がついに作り上げた診断基準DSM。その基となった「喜び―苦痛」「能動―受動」「自己―他者」「思考―感情」の極性理論を応用して、境界性、自己愛性、統合失調質など14に分類。日本人の病理の実態を、豊富な実例で解説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もちもちかめ
17
何カ所かノートに書き写した。境界性人格障害、もっとこの人に掘り下げて説明してもらいたい。これからは、ちゃんと教科書読もう、ボーダー、人間のふりをした悪、から逃げ切るために。戦わない、ひたすら逃げるために。しかし本当に、彼女がボダだと確信。当てはまりすぎて恐いくらい。中身が空っぽで極端から極端へ行動どころか知覚まで振れるから、会うたびに印象が違い、どんな顔かあまりハッキリしないのも、ボダだからなんだ。世界中にお仲間いるのね‥2019/05/18
ぷりだむ@キスダムBD化応援
3
前半はパーソナリティ障害の研究史というよりもパーソナリティ障害をめぐるある種政治的な動き、アメリカ精神医学会の変遷についての概説だろうか。後半はパーソナリティ障害の概説でわかりやすくまとめられていてサクサク読める。著者はエンタメ系新書を書くことが多いらしいので、この軽さはそのおかげかもしれない。2011/06/16
Kyo
3
パーソナリティ障害の研究史、特にDSM-?改訂のくだりが面白い。こんなドラマティックな流れがあったとは…こうなってくるとICDの診断分類体系がどのように成立したのか気になってくる。こんな講義があったなら研究史にも興味を持てただろうに…でも教科書として買わされてたら、こんなに面白がれないんだろうなぁ。各パーソナリティの説明はけっこう紋切り、断定調だが、何故かそれぞれ魅力的に見えてくる不思議2011/02/13
DRYM_8
3
パーソナリティの研究史、パーソナリティ障害類型の概観。すっきりまとめてあって、頭の中に"パーソナリティ障害の地図"が作りやすい。ちなみに、分類はミロンという人の考え方によったもの。極端な偏見、ひっかかる言葉づかいもあまりなかったように思え、楽に読めた。入門書『決定版』を宣言するだけはある。/『おわりに』が素敵。あわせてカウンセリング技法入門書も読んでおくとより『おわりに』がわかりやすくなる。/筆者の他の著作も読みたくなった。2010/10/22
風見草
2
前半のパーソナリティ障害の研究史とDSM-III制作をめぐる政治劇(?)が興味深かった。各論ではテオドア・ミロンのモデルに沿い、喜び-苦痛、受動-能動、自己-他者の三つの極性の対比によるポラリティ・バランスを使って解説する。あとがきによると本書は学術志向の入門書とのことだが、自己愛性パーソナリティ障害について、その提唱者であるハインツ・コフートには一言も言及がない。著者は彼を一切評価していないということだろうか?2015/04/24
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