創元推理文庫<br> 埋葬された夏

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創元推理文庫
埋葬された夏

  • ISBN:9784488270063

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内容説明

1984年6月。16歳の少女コリーンは殺人容疑で逮捕される。イギリスの海辺の町アーネマスの異分子だった彼女は、有罪となり治療施設に収容された。そして20年後、進歩した科学技術が当時の証拠品から未知の人物のDNAを検出し、勅撰弁護人が再審を求めて動きだす。調査を依頼された私立探偵が町を訪れ、かつての関係者たちと会うことで甦る日々。悲劇に至るまでの1年ほどのあいだに何があったのか――現在と過去が交錯する構成が読者に投げかける、被害者捜しの趣向と衝撃の真相――そして鮮烈な幕切れ。感嘆をもたらす傑作英国ミステリ。/解説=霜月蒼

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

56
何とも読みにくい作品だった。読みにくいのは訳とか文章の問題でなく、物語が80年代と2000年代の交互に描かれるのだが、途中この二つの時代の接点がほとんどないまま話が進行する。文章が妙に乾いていて、時としてどちらの時代を読んでいるのか混乱してしまうのだ。80年代に起こった殺人事件の解決に疑問を持ち、20年後に私立探偵が改めて捜査する話だが、とにかく多くの事が起こるので頭をよく整理していかないと混乱する。もちろん最後で解決は見るのだが、果たして自分の解釈が当たっているのか自信はない。2016/08/23

momi

54
20年前…海辺の小さな町でおきた殺人事件!!誰1人としてこの事件がまた調査されるとは思っていなかった…。あの夏…少女のまわりで…本当は何が起きていたのか…!?過去と現在が交互に語られていきます!いったい誰が殺されたのか…殺したのは誰なのか…ラスト近くまで分からない…。せまい田舎町の息苦しさと、あの年頃の少年少女たちの不安定さが危なく…読んでいてつらくなる…。一番悪いのは誰?の問いかけだけど、一番は決められないぐらい、この町の人間はみんな腐ってる!!あいつも、こいつも!!だけど最後は…すくわれてよかった…。2016/07/15

本木英朗

39
心が震わせられる。読後、脳裏に浮かぶのはその一言だけ。近年まれに見る、鮮烈な読書体験を与えてくれた作品だった。プロットは極めて精緻だ。過去と現在の物語が同時並行で語られ、ページが進むごとにより重層的な様相を呈していく。登場人物は周到に配置され、存在感を持って描かれる。同世代の少年少女たちを巡る心理や葛藤は、普遍的な色彩を帯びている。そして読者を駆り立ててやまない謎の正体―「いちばん悪いのは、誰か?」―という問い。すべてが高いレベルで魅力的だ。しかし作者が最後に与えてくれた衝撃は、それらを超えていた。2016/06/24

あっちゃん

38
最初は、なかなかノれなくて、英国ミステリの傑作登場?とか煽り文句を疑問に思ったけど、中盤まで来て、ようやく惹き付けられてくる(笑)現在と過去を交互に描き、子供達の脆さや残酷さ、人間の表面上には見えない本当の姿を見極める難しさを感じた!真ん中からは一気読み必至でした!2016/08/02

ハスゴン

31
何が起こったかを読者に、知らせないままに、不穏な空気だけ流れていく世界観は、素敵ですね。2017/04/07

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