内容説明
「ソクラテスより頭の強い人間はいますか」聞き間違えた神託のせいで頭突き勝負が始まって(「ソクラテスの石頭」)。論理学の講義が苦痛で仕方がない未来の大王は……(「アリストテレスの論理が苦」)。若く美しい婚約者とモメた四十男のヘーゲルは思慮深すぎる手紙を書くが(「ヘーゲルの弁証法的な痴話喧嘩」)。哲学史に燦然と輝く巨星たちを笑いのめし、叡智の扉へと誘うユーモア小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざれこ
17
高校の倫理の授業でずっとソクラテスの無知の知をやられて軽くトラウマだったのに清水さんだからって買っちゃった。隙間時間にゆるゆる読みました。肩の凝らない哲学入門書、彼らの思想をいろんな描き方で清水さんがわかりやすく説明してくれてわかったような気になります。後半は清水さん自身がお手上げだったらしくわかんなくなりますが、わからないと認めるあたりも潔い(これが無知の知ってやつか)。それにしても存在がどうとかなんでそこまで考えちゃうのかねえ。変としか言いようがないけど、おもろい人たちやなあと楽しめたのは収穫でした。2016/06/17
みっちゃんondrums
13
おもしろおかしく哲学および哲学者のお勉強。清水義範センセぇのパロディ小説やっぱ良いわ。各章末の注は見逃せない。ルソーとニーチェ以降の方々と、ニーチェが影響されたというショーペンハウエルはもう少し知りたいと思った。2016/05/30
hanagon44
8
腹の立たないバカバカしさ。気楽に読めました。大学の先生が「哲学は数学に通じる」とおっしゃっていたことが思い出されます。この本で,哲学は思考・思索を基本的な要素に整理・分類し,高度なものへとつなげ・発展させるようなイメージを持ちました。いまいち理解しづらい哲学によって,数学が苦手な人の気持ちが少しわかったような気になり,理解しようとする過程も数学を教えるときの何らかのヒントになるかもしれないと思いました。哲学について少し学んでみたいなと思います。2016/02/01
山目
7
楽しく読みました。一番考えすぎたのは作者かな。変人ぶりというけれど、割とまともと思ったのは、最近数学者の話を読んでるかもしれません。好い加減な脚注がいいですね。2015/12/23
へいがぁ
6
うーん、名前を知っている程度の知識で読んだのですが、少なくとも笑えなかったです。著者の初期のパスティーシュは非常に好きでしたので残念です。2015/12/04