河出文庫<br> 帰ってきたヒトラー 上

個数:1
紙書籍版価格
¥704
  • 電子書籍
  • Reader

河出文庫
帰ってきたヒトラー 上

  • ISBN:9784309464220

ファイル: /

内容説明

ヒトラーが突如、現代に甦った!周囲の人々が彼をヒトラーそっくりの芸人だと思い込んだことから勘違いが勘違いを呼び、本当のコメディアンにさせられていく。その危険な笑いで本国ドイツに賛否両論を巻き起こした問題作。本国で250万部を売り上げ、映画は240万人動員、世界42言語に翻訳された空前のベストセラー小説。著者による原注付き。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

382
歴史改変SFのようにも見えるが、むしろ思考実験といった手法だろう。1945年に自殺したヒットラーが、突如2011年のベルリンに現れたら、というのが物語の起点であり、同時に根幹である。双方に大いなる違和と軋轢が生じるはずだが、ヒトラーの方は案外にも、現代の世界情勢とドイツ政治、あるいはその後に開発・実用化されたモノ(例えばコンピューター)などを次々にすんなりと受け入れてゆく。物語の主眼がそこにはないからだろうが、読者としてはそのことに多少は違和感を感じざるを得ない。ヒトラーの語りが幾分か面倒なところも⇒2024/03/12

青蓮

125
読友さんの感想から。ヒトラーが蘇って現代にタイムスリップ。周りからはヒトラーそっくりの物真似コメディアンとして扱われるヒトラー。彼のちぐはぐな言動が笑いを誘います。思っていた以上に面白くて凄く引き込まれました。ナチスやヒトラーについては詳しくないけれど、それらの知識があればより楽しめる内容かと思います。勿論、知らなくても充分楽しめますが。映画にもなったみたいなので、そちらも見たいです。続きが気になるので、早速下巻へ。2016/05/13

absinthe

118
ヒトラーが何故か現代によみがえるのだが、風刺芸人としてしか受け入れられないその可笑しさを描く。捧腹絶倒とはいかず、ヒトラー目線で現代ドイツのありさまを批判する。かなり際どいネタだと思うが良く描いたとも思う。確かに外国人だらけとなり、性的マイノリティにも肝要なリベラル社会となったドイツをヒトラーの目線でどう見えるのかというアイデアは面白い。芸人に身をやつしながらもドイツ再興を熱心に考えるあたりが哀れでも面白い。前半はだいたい想像の範疇の事しか起こらない。後半に期待といったところか。2025/01/29

🅼🆈½ ユニス™

116
かつて数百万人を死に追い込んだ人物のストーリーに、クックッと一人笑いを堪えている。下巻へ❗️2019/02/23

Willie the Wildcat

90
状況の咀嚼と言動の解釈。踏まえた結果の関係性の妙。ブレない軸と、周囲の先入観・偏見が齎す復活の狼煙。失業者問題などによる政治不信を脳裏に焼き付けるも、大団円に構えず日々の生活から垣間見る政治的問題に焦点を当てるのがミソ。加えて、不満を口に出さない国民性を突くかのような戦略が巧妙。才能ともいうべきだが、エスニックジョークを含めた比喩も、自身ではなくあくまで他者の言動を引き出す空気の醸成。個からチーム、そして組織への変貌。これら一連の流れが、ごくごく自然な点が笑えない。予想していたよりシリアス感が滲む。2020/05/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10777909
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす