ハヤカワ・ミステリ<br> アックスマンのジャズ

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ハヤカワ・ミステリ
アックスマンのジャズ

  • ISBN:9784150019075

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内容説明

【英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞】1919年のニュー・オーリンズで、斧を使って殺人を繰り返す、アックスマンと呼ばれる犯人。「ジャズを聴いていないものは殺す」と予告までする殺人鬼を懸命に追う男女がいた。人種差別の強い街で、黒人の妻がいることを隠して困難な捜査を続けるタルボット警部補。ある事情から犯人を捕まえるようマフィアに依頼された元刑事のルカ。ジャズマンと共に事件の解明に挑む探偵志願の若い女性アイダ。彼らの執念で明かされる衝撃の真実とは? 実際に起きた未解決事件をもとに大胆な設定で描く、英国推理作家協会賞最優秀新人賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

129
かつてニューオリンズに実際にいたアックスマン。未解決の事件をイギリスの作家が書き上げる。心に傷を負う刑事と、彼の心に傷をおわせた元刑事と、探偵になりたいクレオールの若い女が、それぞれに真相を探っていく。また、バーボンストリートに行きたくなった。ジャズに浸りきりたい。バーボンってね、ブルボンBourbonって書くのよ。2018/07/13

紅はこべ

97
まさかのルイ・アームストロング登場。アックスマンの手紙は赤毛連盟トリックのヴァリエーションか。刑事のマイクル、女探偵アイダ、マフィア子飼いの元刑事ルカ、三人がそれぞれの手がかりを追って真相に肉薄する様が面白い。それぞれが一面の真実をつかみ、完全な真相には至っていない。人生とはそんなもの。ジャズと洪水の街ニューオーリンズ、なかなかの筆力で描写。街が主役の物語でもあるな。ルカの食べる物も美味しそう。2016/08/29

つねじろう

73
何が凄いってこの話しの題材は本当にあった未解決事件。その手紙も史実のまま。でそれをベースにフィクションが始まる。だから実際あった事の不自由さとでもそれ自体の猟奇さのギリギリをバランスを取って構成する作者の技量はたいしたもの。少しの読みにくさは我慢出来る。でもその読みにくさはストーリーに対するもので舞台となるニューオリンズのその当時の元気良さを語るには奏功してる。米国は人種の坩堝と言いつつ彼方の地の異国感は特別級。それこそジャズ。そんなジャズトリオみたいな3つのラインから明らかになる犯人像の描き方は秀逸。2019/01/29

のぶ

66
アメリカらしい面白いミステリーだった。舞台は1919年のニューオリンズ。まず、当時のアメリカがどんな時代だったのか調べた。数年後に禁酒法の実施。やがて大恐慌時代。過去に名作が生まれた宝庫だ。ただ、この小説に関してはそんな背景を描かず、白紙から物語を作っているので、何か掴みどころがない。反面それだけの筆力を感じた。ジャズの聖地の世界を描いているが、時代の醸し出す雰囲気は薄いような気がした。斧を使って殺人を繰り返す、アックスマンの描写に陰湿さはなく、捜査を進める刑事にも若さが溢れている魅力的な作品。2016/08/02

W-G

55
他の読書家さんのレビューを見て読んで見ました。面白かったです。単調な部分もありますが、三人の視点人物が各々のルートで真相に近づいていくスリルが良い感じ。事件はそれほど複雑ではなく、新しい登場人物が一人増える度に、素直に一歩ずつ真相に近づいていくのでひねりが無いと言えば無い。1919年の話で、シャーロックホームズの最後の挨拶が新刊で出た年らしいですが、売春婦と黒人差別だらけの物語の中にそんなエピソードを盛り込まれてもとてつもなく違和感。ジョンの死亡に説明がない点が消化不良。ルイスはルイ・アームストロング?2016/06/12

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