岩波新書<br> 世論調査とは何だろうか

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岩波新書
世論調査とは何だろうか

  • 著者名:岩本裕
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2016/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315469

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内容説明

世論調査の数字は不思議だ.同じような質問なのに,結果はしばしば各社各様.どれが本当の数字なのか? どの数字が信頼できるのか? 本書は,そんな疑問に答えながら,世論調査の仕組みと働きについて紹介する.結果次第では内閣の命運も左右するといわれる世論調査.それは国民の意思や意見のありかを伝え,権力を監視する強力な手段でもある.民主主義の礎としての重要性を説く.

目次

目  次
  はじめに

 序章 世論はなぜ重要なのか

 第1章 世論調査は民主主義の礎
  1 国民の意見はどこに
  2 GHQが後押しした科学的調査
  3 無作為と適当の間で
  4 たかが1000人、されど1000人

 第2章 選挙が世論調査を発展させた
  1 当確の打ち間違いが進歩を生んだ
  2 選挙結果を“当てる”ために
  3 2014年衆議院選挙の当確判定

 第3章 政治を動かす世論調査
  1 支持率は内閣の生命線?
  2 RDD調査はどこまで信用できるのか
  3 携帯電話を狙え!

 第4章 調査を読み解く
  1 なぜ各社で調査結果が違うのか
  2 質問の言い回しと順番で回答は変わる?
  3 バイアスがいっぱい
  4 年齢か? 時代か? 世代の影響か?

 第5章 調査結果に惑わされないために
  1 誤差と有意差
  2 見せかけにご用心
  3 ネット調査は信用できるのか

 終章 世論調査という“武器”を持ち続けるために
  1 輿論をはかる
  2 世論を伝えていくために
  おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふろんた2.0

32
普段目にするのは調査結果の数値部分だけで、質問の選択肢などには目を向けていない。信頼性の高いデータの取り方、裏を返せば恣意的なデータの取り方がよくわかる。それにしても周囲の意見や先入観によってバイアスがかなりかかってしまうもんなんだな。本書だって岩波新書というバイアスがかかっており、これが幻冬舎新書あたりだったら、同じ内容でもamazonのレビューが変わってきたりして。2015/09/03

壱萬参仟縁

31
国民の約半数が、選挙で意思を示さない道を選んだ(4頁)。しかし、投票に行かなければ意思などわからない。RDD法で回答率5割切る状態(111頁)。抵抗、答えたくないとする訳が知りたい。固定電話しか調査対象にならない(115頁)なら、若い世代や単身世帯の意向は反映されにくいだろう。設計自体に問題がある。韓国に見習うべきだと思われる。 謝礼なくして調査に応じられないのだろう。アンケートモニターでは、現金やクオカードが当たり前だから。 2015/08/08

リキヨシオ

23
選挙以外で唯一民意が反映される世論調査。GHQが占領政策の浸透具合を測定するためにアメリカ式の科学的世論調査を普及させた。世論調査で最近は無作為で選びだし数字をダイアルするRDD法が主流。世論調査には無作為とサンプリングが重要で地域や都市の規模や産業別人口割合から無作為に対象地域が選ばれ、地域で無作為に対象を選ぶ「層化無作為2段抽出」が行われる。新聞によって結果が大きく異なるのは質問の中に「中間的選択肢」を設けない新聞や質問の順番による誘導がある新聞の違いがあるので、結果を鵜呑みにし過ぎるのは…危険か…2015/06/22

coolflat

16
筆者は“世論調査は単に迷惑なものでも、マスコミや権力が国民を操作するためのものでもありません”とか、世論調査の事を“声を出さない、声を出せない、多くの人達の意見を国や行政に届けたり、権力を監視するための武器なのです”というが、現状は全く逆で、世論調査は政権与党の人気維持を補強する代物でしかない。重ね聞き、中間的選択肢、言い回し、質問の順番などの誘導する手法や、メディア上層部と安倍との度ある食事会を見るに、メディアには全く信用置けない。年々低くなる回収率を嘆いておられるが、世論調査とメディアの信用は両輪だ。2016/02/28

そうたそ

15
★★★☆☆ 世論調査とは一体どのようにおこなわれているのか。どれだけ正確なものなのか。調査元によって結果が全然違ったり、最近では選挙の結果が世論調査とは大きく異なり、実質与党の大勝に終わったということもあった。本書はそんな世論調査について、誰でもわかるように簡潔明快に説明してくれている書。ネットが普及した現代において、ある種旧時代的な手法とも言える世論調査の在り方、必要性などもまた考えさせられる一冊だった。2021/12/23

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