内容説明
全盛期には100万部を超えた国民雑誌『暮しの手帖』。社長・大橋鎭子(しずこ)と共に会社を立ち上げた創刊編集長・花森安治は天才的な男だった。高校時代から発揮した斬新なデザイン術、会う人の度肝を抜く「女装」、家を一軒燃やした「商品テスト」。ひとつの雑誌が庶民の生活を変え、新しい時代をつくった。その裏には、花森のある決意が隠されていた――。66年の伝説的生涯に迫る渾身の評伝。 ※新潮文庫に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
29
ずっと気になっていた花森さん。いち編集者の枠を越える大人物だったんだということが伝わった。大政翼賛の事は、すねの傷だったのかな。いずれにせよ、マイナスをプラスへ転化した人たちは、みんなそろって偉い。著者の語り口が好きだった。他の本も読みたい。2019/11/21
さきん
23
暮しの手帖がすごい雑誌だとは良く聞いていたが、そのスゴさはよく知らなかった。知り合いに数十年分の蔵書があって、熱心な読者がいることは確か。特徴は、研究室と銘打って生活雑貨を使用して評価し、批判も厭わないことで消費者、生産者両面の質向上を目指すこと。今は雑誌を読む人が少ないので成り立たなくなって来ていると感じる。花森自身は贅沢は敵だを始めとしたプロパカンダを手掛け、敗戦後は一転して、平和主義、民主主義推しに回る軸がまるでない大衆みたいなタイプ。だからこそ流行の最先端を追い続けられたかもしれない。 2019/11/03
浅香山三郎
13
NHK朝ドラの「とと姉ちゃん」が放映されていた頃に買つたのだらうが、放映時には読めず、ながらく積ん読になつていた。もともと花森安治といふ人を「女装をしていた怪人」、「暮しの手帖で商品テストを徹底してやつていた人」といふやうな断片的な情報で知つていたが、『暮しの手帖』に至る歩みやその精神を本書により知ることができた。花森といふ人のデザイナーとしての才能や、生活様式の変革を市民(そのおおくは女性)の主体性に期待した姿勢などがよくわかる。戦中のしごとへの反省が、戦後に過激ともいへる責任感とくらしを↓ 2021/05/06
Mika Oshima
3
暮らしの手帖が置いてある家は賢くて素敵でお料理上手なお母様がいる!とちびっこの時思っていた。花森さんの伝説は断片的に知っていたけれど、この本を読んで改めて凄い人だったんだと思った。因みにウチの母親は暮らしの手帖は読まず、週間文春と新潮を愛読していました。2016/03/04
tecchan
2
「暮らしの手帖」編集長 花森安治 氏の評伝。今年は没後40年。自分が若い頃、氏は大活躍していたはずなのに興味もなく氏の存在すら知らなかった。最近になり興味を覚え、この作品を読み、氏の一貫した、筋を通した生き方に共感を覚えた。2018/06/13
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