内容説明
しがない探偵から転身し上昇気流に乗った警備会社社長、一世一代の大芝居を自作自演する脚本家、天才肌の相棒と袂を分かち再出発を目論む漫才師、フィギュア造型力がもたらす禍福に翻弄される玩具企画会社社長――犯人側から語られる犯行の経緯と実際。対するは、善意の第三者をして「あんなんに狙われたら、犯人もたまらんで」と言わしめる福家警部補。百戦不殆のシリーズ第2集。著者が刑事コロンボに寄せる熱い想いに溢れた、4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
155
シリーズ2作目は短編4作品が収録。前作に引続き、倒叙形式で進む物語。良い意味でお決まりの展開が待ち受けるのは分かってはいるものの、福家警部補のあっけらかんとした態度から鋭角に切込んで犯人を追い詰める姿がなんともカッコいい!なのに警察手帳はよくなくしちゃう…。そのギャップに彼女(本作)の魅力が伺える。今回のマイベストはお笑い芸人のコンビを軸に描いた『相棒』三十年も連れ添った二人の間で起きた事件。月日が長くなるほど確執も増えてしまうのだろうか。その結末に相方の意地を感じた。次作『福家警部補の報告』にも期待大!2022/04/13
おしゃべりメガネ
135
シリーズ第2弾です。相変わらず女性刑事コロンボ的なキャラでとぼけているのか、するどいのかわからない(鋭いんですけどね)福家警部補が前作よりさらにキャラをパワーアップさせてるような気がします。といっても、犯人を確実に追い詰めていく感じはもはやミステリーの領域ではなく、ちょっとしたホラーのようです。ホント、犯人もたまらないでしょうね。個人的には第3話の『相棒』が印象的でした。このシリーズには珍しく?感動させてくれるありがたいお話でした。あまりにも主人公がCOOL過ぎて、正直感情移入が難しくなりつつあります。2013/09/08
hnzwd
102
シリーズ第二弾。福家警部補の切れ味はますます鋭く、少しだけキャラも立ってきたような??倒叙形式は魅力的な犯人が必須ですが、、、前作より改善されてきている気が。失われた灯、プロジェクトブルーが良かった。2013/09/03
Hitoshi Mita
94
福家警部補の執拗なまでのこだわりに犯人は追い詰められる。福家警部補のキャラがなんともいい味を出している。おっちょこちょいで可愛らしくも感じる。2014/05/06
sin
87
前作の感想は解説を読む前だったので「ああ、コロンボ…」と一蹴…云々と、頓珍漢なことを書いてしまいましたが、この作品、実はまさに“刑事コロンボ”愛が産み出したものでありましたm(__)m、さて、このように初めに犯人ありきの倒叙形式のミステリー…自分には王手の形はあらかじめ計算されていてそこに至る手を読む、なにやら詰将棋の譜を見せられているような気がしてなりません。今回はマニアックな登場人物もいて思わず作者の『無法地帯』を探してしまいました。あ!そうそう警部補は再訪ではなくて「再訪、再訪、再々訪」であります。2017/02/17