新潮文庫<br> ブラックライダー(下)

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新潮文庫
ブラックライダー(下)

  • 著者名:東山彰良【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2016/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101201528

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内容説明

ジョアン・メロヂーヤ。メキシコの農園で人と“牛”の間に誕生した美しき奇跡。自らを慕う人々を率い、彼は蟲に巣食われた者を殺戮しつつ流浪する。そして七年後、ワイオミングの大クレーターに居を構えたジョアンたちに、バード・ケイジを首領とする討伐隊が総攻撃を掛ける。そこへレイン一味も絡み……。ジョアンは家畜か、それとも救世主か。神話の結末はあなた自身が目撃せよ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

68
時代やその背景は違えどまるで中国の戦記もの…なかでも奇書に分類される『水滸伝』を彷彿とさせる漢(おとこ)達の物語だ!如何なる理由で闘うにせよ、もはやここには正義などというものはなく、敵味方、善悪が入り乱れて死闘を繰り広げる!人間の本質は共闘する獣だ!そして、その闘いは後世に歴史と化すが、それは戦い抜いた当事者たちを後目にするかのようで、その評価は決して勝者のものになるとは限らない。2018/06/05

goro@80.7

64
Ⅲ章はアビアーダ攻防戦の激しい戦いに入りレイン兄弟も巻き込まれて保安官率いる大部隊を迎え撃つ。何のための闘いなのかジョアンは出て来ないし、それぞれが哀しいのだがエピローグはまたなんとも切なく落としてくれるわ。核戦争→蟲→浄化の流れはナウシカかとも思える。Ⅲ章は熱量で押し切られた。ドットが哀しい。2022/11/18

つねじろう

59
ジョン・ウェインばりの規格外のくせ者保安官バード・ケイジ、その保安官に追われる列車強盗のレイン兄弟、悪魔と怖れられながら神とも讃えられ慕われる牛人間ジョアン。各々キャラクターは既視感は有るものの魅力的だし大規模な地殻変動と核戦争で旧文明が滅んだ後の開拓時代的な設定と人喰い蟲も面白い。会話もまあまあ。で其々化学反応なり起こして爆発的クライマックスを迎えるかと期待したんだけど、全て放り出していきなりエピローグって感じでそれは欲求不満。読者を選ぶ小説なんだって。選ばれなかった読者はどうしてくれるんだい。ねぇ?2015/11/06

眠る山猫屋

46
レイン兄弟に魅せられた。バードケイジ保安官の悲しみやジョアンの聖性にも打たれたが。ガイもスノーもレスターもいいヤツだったが、ロミオの真っ直ぐな生きざまが特に。主要人物があっさり退場する暴力の連鎖・人を喰うといった倫理観がスルーされた世界はそう簡単には変わらない。だからリセットするという黙示録的な世界は受け入れられないが、そんな世界を生き抜こうとする人間の姿は、やっぱり心をうつのだと思う。ロミオの登場しないエピローグはほんとうに暖かい。2018/12/02

*maru*

36
討伐隊を率いるバード、大クレーターに居を構えるジョアン、レイン兄弟。上巻の内容を整理しながら、大クレーターへの総攻撃の最終章へ。人は、苦しみを誰かのせいにしなければ生きていけない。苦しみや悲しみの連鎖は途切れる事はない。血や涙が流れた大地に咲き誇る白い花は、そんな私達の傷を少しは癒してくれるだろうか。マルコ、ジョアン・メロヂーヤ。君は、家畜か…悪魔か…それとも、救世主だったのか。読了後は、読み終えた達成感と読み終えてしまった喪失感に暫し呆然。凄い物語だ。世界は瀕死だが、確かにまだ息絶えちゃいなかった。2018/06/11

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