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内容説明
みちのくは遠い。生きて戻れるだろうか――。
江戸の都の名利を捨てて、晩年の芭蕉は遥か東北へ旅立つ。
それは新境地を切り開くために、この世と人生の生々流転を見つめる旅路だった。
そして三百年あまり。芭蕉の足跡を慕う上方の作家、田辺聖子もまたおくのほそ道へと旅立った。
気むずかしい爺さんにみえていた芭蕉は、やがて、人生という旅路のやさしい友の顔を見せるようになる。
原文の滋味を掬い古典へと誘う紀行エッセイ。
(『「おくのほそ道」を旅しよう』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
『おくの細道』をお供に旅するエッセイ。慕っている芭蕉の旅路を歩むことで自由で渋くて楽しい古典へと誘われていきました。2024/02/07
けいこ
15
松尾芭蕉の人間性が少し分かって良かったです。ユーモア好きの優しい人だったんですね。2016/11/13
ソングライン
14
深川を始点に東北、北陸を巡り大垣に終わる芭蕉のおくのほそ道の旅を、300年後の現代を生きる作者が3人の若者と共に旅した旅行記です。芭蕉の旅した当時から残る史跡を訪ねた感想に加え、芭蕉も思い浮かべたであろう歴史的背景、また当時出会った人物の紹介など、おくのほそ道の理解を容易にしてくれる内容満載です。名物や地酒の紹介も楽しませてくれます。2018/12/15
鮎
14
陸奥に歌枕を訪ねる芭蕉と曾良。その足跡を辿る田辺さんの筆は、芭蕉が愛した西行の歌や奥州に残る義経の面影へと自在に行き来する。原典は原文と現代語訳を昨年読んだばかりだが、俳諧のほか故事や漢文などの素養がなければ味わうことの難しい作品だとの印象をまた新たにした。けれど本書は決して肩肘張るものではなく、語尾の切れ味鋭い編集者妖子さん、昼食は必ずトンカツ定食のカメラマン亀さんなど、同行者とのやりとりは軽やかで楽しい。田辺さんが引く「曾良日記」や地元に残る石碑を見るにつけ、芭蕉が端折った地元の人々との交歓を想う。2018/03/24
maqiso
4
『おくのほそ道』を読みながら旅をして当時を偲んだり田舎に泊まったりしている。松島と月山を見て、俳句に表せない絶景と言うのが面白い。どこも車で行けて芭蕉の句碑などがあるから、普通に観光してる感じなのも面白い。2022/10/26