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内容説明
日本の近現代史を振り返ったとき、天皇は、伝統、宗教、土着、愛国心などを表象し、アメリカは、近代、合理主義、外来文化などの代名詞であったことがわかる。しかし、両極端であるはずのこれらの二つのキーワード――「日本的なものの象徴・天皇」と「帝国・アメリカ」は、複合的に絡み合いながら日本と東アジアの20世紀に関与し続けてきた。時に、天皇こそ近代であり、アメリカこそ宗教であるという矛盾の中から、果たしてどのような歴史像が浮かび上がってくるのか? 二つの奇妙な力の場を拠点に、歴史的想像力の可能性を切り開く!【目次】プロローグ テッサ・モーリス-スズキ/序章 天皇とアメリカの二〇世紀/第一章 近代/第二章 現代/第三章 現在/エピローグ 吉見俊哉
目次
プロローグ テッサ・モーリス-スズキ
序章 天皇とアメリカの二〇世紀
第一章 近代
第二章 現代
第三章 現在
エピローグ 吉見俊哉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
16
太平洋を挟む「隣国」であり、共に後発の帝国として発展した日本とアメリカ。神秘性をまとった天皇は一方で近代化を推進する核となり、逆にアメリカは意外な宗教性を帯びている。このテーマを軸とした2人の歴史学者の対談。非常に面白いのだが、5年間の様々な対話を整理したものということで、若干まとまりを欠く感あり。例えば女性天皇など、個々に掘り下げる価値のある問題が出そろっているだけにもったいない。2024/06/23
michok
1
本文の両者の対談も読み応えがあるが、吉見氏のエピローグにも興味を惹かれた。2010/11/21
ceskepivo
1
一時期、日本社会にとって天皇制は必要なのだろうか、と考えていたことがあった。しかし、本書を読むと日本社会の安定にとって天皇制が代替性のない役割を果たしていることがわかる。マッカーサーが日本をキリスト教化するために天皇をキリスト教に改宗させようとしたのは初めて知った(102頁)。2010/03/14
O
0
対談だけど、読みにくかった。知識不足だな~。だけど、女性性・男性性に関しては天皇制度からヒントが得られそう。2017/12/25
だんご
0
対談って読みやすいんだな(笑) 自己に対する過剰意識、自己防衛本能から、他者をヘイトしたり、知り合いなのかもよくも知らん人のいいねを渇望したりする。 みんな他人を意識しすぎているようでその実、全く他人への想像力なんて消え去ってて無関心。 記号化された他人と無限に手をつないでる感じ。 究極の自己中心なう。2017/08/22